世界の介護事情 in  ノルウェー

2016.5.18 キャリア
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yukiです。

石川県在中の外国人の友人に「お国」の介護事情について取材しました!!

第二弾は、北欧ノルウェーです。

ノルウェーと日本の人口の違い

南アフリカの回と同様、始めに日本とノルウェーの年齢別人口の違いを調べてみました。高齢者の人口の割合は、南アフリカより3倍はあるものの、日本より10%近く低く、過去25年の年齢別人口の割合を調べても、大きな変化は見られませんでした。

まずは日本の年齢別人口です。(2013年の統計)(参照:総務省統計局)

年少人口(0~14)→12.9%

生産年齢人口(15~64)→62.1%

65歳以上人口→25.1%

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次にノルウェーの年齢別人口です。(2014年の統計)(参照:Trading economics)

年少人口(0~14)→18.1%

生産年齢人口(15~64)→65.9%

65歳以上人口→16%

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医療システム

ノルウェーでは、老若男女問わず全ての人が、素晴らしい社会安全システムによって守られています。その為、誰でも無料で病院にかかることができます。

さらに、定年後は、一生医療の為にお金を払う必要はないとのことです。

ずっと同じ医者にかかることができるので、健康診断時にちょっとした変化にすぐに気づいてもらえるそうです。

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患者と医者が良い連携をとって、より良い地域医療を目指している様子が伺えます。(写真:PAXMAN)

もし、在宅介護を希望したり、金沢QOL支援センターのようなデイケアサービスの利用を希望する場合でも、お金を多少支払う必要はありますが、残りはすべて政府が援助してくださるそうです。

もし、誰のサポートも受けられない方がいても、介護士が家に来て介護をして下さる、日本で言う在宅介護システムがあるのだそうです。

常に誰かが見守ってくれるので、ノルウェーでは、安心して介護が受けられるので、とても安全ですと語っておられました。

医療のお金は、誰が負担しているの?

日本とは違い、誰でも無料で医療を受けれるというのは、大変素晴らしいシステムですが、医療にはお金がかかります。では、そのお金は誰が負担しているのでしょうか?

それは、国民です。

国家予算における国民の負担率は、日本とノルウェーでは、大きな違いがあります。(参照:ノルウェーの社会保障制度

2009年の統計では、日本国民は38.3%を負担しているのに対し、ノルウェー国民はなんと56.2%も負担しています。

更にノルウェー国民には、政府管掌の強制保険制度があり、その保険のおかげで、ノルウェー国籍者の人は、年金、労災、疾病、妊娠、出産、葬儀などの給付を受けることができます。その保険料を払うのは、もちろんノルウェー国民です。保険料は、人によって異なりますが、収入の約30%とも言われています。

高い保険料や税金を払うことで、きちんとした医療などのサポートを無料で受けることが出来る。だから、ノルウェー国民の皆さんは、安心して支払うべきものを払い、受けるべきサービスを受けられるのかもしれません。もちろん、各家庭で払える保険料や税金の値段は違います。そこも、富裕層がカバーする意識がノルウェーの文化にはあるのかもしれません。

現にノルウェーの国家予算に富裕税が含まれています。

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誰でも、安心して医療を受けれるシステムの陰には、富裕層の方々の寛大さがあるのかもしれません。良い医療環境を築き上げていく為には、様々な人たちのサポート無しでは出来ないという事をより強く感じる事が出来ました。

日本の介護事情で驚いたこと

ずばり、「認知症行方不明者の届け出状況 2年連続1万人超」であることです。

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北國新聞によりますと、石川県警の嘱託警察犬が、行方不明者の捜索に出動する件数が増えており、(写真:北國新聞)昨年の認知症行方不明者の為に警察犬が出勤した件数は、10年前の8倍近くに達したそうです。

ノルウェーでも、認知症患者が行方不明になることが、ゼロではありませんが、日本の様に年間で1万人以上の人が行方不明になることは、まずないと物凄く驚いておられました。そのニュースを耳にした時に、日本の介護事情の深刻さを感じたと言われました。

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