ドラッカーから学ぶ!!在宅医療分野での「連携」とそのコツ

2016.6.11 在宅医療
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たくちゃん。

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こんにちは。コメディのイワシタです。

 

今日は、在宅医療-介護における「連携」について、経営学者であるPF・ドラッカーからの視点より考えたいと思います。

 

 「考えるべきは、ミッションは何かである。ミッションの価値は、正しい行動をもたらすことにある」

(ドラッカー『非営利組織の経営』)

 

在宅医療-介護分野でのケアチームの共通の目的(ミッション)は

「ご利用者さまのQOLの向上にむけての支援を行う」ことだと思います。

 

そのミッションにむけての統一された支援を行うために

地域の医療-介護チームは各々が相互にラポール築き

良好な「人間関係」の構築

そして、連携をしていくことが重要であるのは言うまでもありません。

 

これは内部-外部問わず重要なことになります。

 

昨今では在宅医療、介護現場では

顔の見える連携

ということで、各地域で様々な交流会、勉強会が開かれており、積極的に連携を地域の医療-介護職は積極的に図っていると思います。

 

では、在宅医療-介護においての質の良い「連携」の在り方

及び「連携」においての大切なこと、ポイントとは何なのでしょうか。

 

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(出典元:http://ameblo.jp/minna4970/entry-11475649559.html)

 

ポイント① 良い意味で遠慮しない。

よく退院前カンファレンスや担当者会議でドクターやケアマネが在宅医療-介護のサービスに関して

 

「こうしました!」

「こうしてください!」

 

と結論だけ言い、他職種からの十分な提案のヒアリングなく、サービス内容が決まってしまう場合があります。

 

これはドクターやケアマネのマネジメント力やコミュニケーション力の原因もありますが、そもそも様々な職種のスタッフ自体が

その指示、方針に対して「言われるがまま」ではなく

 

この利用者さんのニーズはどうなのか?

 

私たちはどうするのがベストなのか?

 

ということを真剣に考えたうえで

必要に応じて積極的に質問したり

時には反対の意見を伝えたり

サービス内容に対して、自ら提案する必要があります。

 

しかし、よくあるのが、、、

 

 

「言いたいことはあるけど、怖くて言えない」

 

「先生だから、、、遠慮して言えない」

 

 

と言われる方がいます。

 

しかし地域の医療介護職は「連携」は一つの大きな役割であり仕事です。

遠慮せずにスペシャリストとしての提案ができなければ「プロフェッショナル」とはいえないでしょう。

 

 

そこでコミュニケーションのコツを提案します。

人間関係を円滑に保ちながら大胆に切り込む方法(コミュニケーション)として

 

 

「すいませーん、例えばなんですが〜、、、」

→遠慮しつつ、その提案も良いけどこういう形もありますよ。と提案する。

 

 

「そうなんですね〜。ちょっと相談なのですが、、、」

→相手の提案を認めつつ、「相談」という当たり障りのない言い方で提案する。

 

 

「ざっくばらんにいいますと、、、○○だと、もっと○○様に良いと思います」

→ぶっちゃけ、それより、こうじゃね?! というのを丁寧な言い方にして提案しましょう。

 

 

ポイント② 地域医療-介護職はきちんと保険制度知識があること。

在宅医療、在宅介護の現場では介護保険サービス、医療保険、自立支援医療、障害福祉サービス、、、、等様々な制度、法律が絡み合うことになります。

その中で、対象者が高齢者だった場合。最低でも介護保険のしくみはケアマネだけでなく、他職種の担当者は知っておくべきです。

 

何故なら諸制度の知識があることで

看護師からのケアプランの視点。

PT、OTからのケアプアランの視点。

など、ケアプランを多面的な視点で評価できるからです。

 

例えば

以下のような思考のフレームワークが可能になります。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・この利用者様の内服管理は○回だと不十分だ。もっと訪問看護サービスが必要だ。訪問介護が多く入っているが、週間スケジュールの訪問介護を訪問看護に切り替えて、頻回にした方が良い。限度額的にも大丈夫。どうかな?

 

・この方の生活状況だとベット、手すりなど様々な福使用具レンタルが必要そう。レンタルさえできれば、ADLの状況が少し良くなりそう。福使用具レンタルしたらどうかな。限度額的にも大丈夫そう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーこのような感じで、自らの所属しているサービスだけでななく介護保険の他サービスのしくみ、限度額などの知識があると提案力、連携力が向上するのは言うまでもないでしょう。

 

 

 

ポイント③ 支援目的・ミッションを知り、共有されている。

 

組織に働く者は、組織の使命が社会において重要であり、他のあらゆるものの基盤であるとの信念を持たねばならない。この信念がなければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う

(引用:ドラッカー名著集『非営利組織の経営』)

 

 「考えるべきは、ミッションは何かである。ミッションの価値は、正しい行動をもたらすことにある」

(引用:ドラッカー名著集『非営利組織の経営』)

 

「ミッションは、行動本位たるべきものである。さもなければ、単なる意図に終わる。ミッションとは、組織に働く者全員が、自らの貢献を知りうるようにするものでなければならない」

(引用:ドラッカー名著集『非営利組織の経営』)

 

ケアプランにはゴールが設定されています。

その在宅医療、介護チームでどれだけ明瞭に共有できるかが、連携の要諦となります。

もしゴールや、何をすべきか、というミッションが共有されていなかったら、、、

 

・それぞれのサービス事業所のアプローチがバラバラになる。

・焦点が合わず、会議が活性化しない。

・ご利用者様、ご家族様が望むニーズから外れる。

・成果が出ない。

 

など、当然のネガティブな結果が生じてしまいます。

 

 

さいごに

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(出典元:http://www.management-facilitation.com/seminar/detail/48)

 

さいごに「連携」を構築する、人間関係についてのヒントです。

 

「人間関係に優れた才能をもつからといって、よい人間関係がもてるわけではない。

自らの仕事や人との関係において、貢献に焦点を合わせることにより、

初めてよい人間関係がもてるのである。

こうして、人間関係が生産的なものになる。

まさに生産的であることが、よい人間関係の唯一の定義である」

(ドラッカー『プロフェッショナルの条件』)

 

 

人間関係はすごく大事です。

 

しかし、良い人間関係が全てではなく

本当に素晴らしい人間関係とはどのようなものか

ということを在宅医療、在宅チームのみならず組織では考える必要があります。

よく

価値観の違い

考え方の違い

職種の違い

によって様々な人間関係における「課題」「軋轢」が生じることがあります。

 

「このご利用者さまへはこう対応するべきだ!」

 

「この業務はこう改善するべきべきだ!それじゃダメだ」

 

このような意見で、相手に正々堂々言われる方は目的や目標に対してのモチベーション、積極性は大変強く素晴らしいと思います。(※陰口で言うのは✕)

 

しかし

意見のぶつかり合いに対して最も大切なことは

「目的は共有されているか」

「目的に焦点は合っているか」

そして「相手の考えている目的は何か」ということです。

 

 

 

「私たちのミッションは何か?」

 

「私たちの顧客は誰か?」

 

 

ということに焦点を当てることが必要あり、そこが論点です。

ミッションの共有がされていれば、様々なアプローチに対しての「意見」「方法」「手段」が違っても

 

「私たちのミッションにおいて、必要なことだよね。」

 

という視点で

相互の関係の中で「違い」を尊重し合い

改善できるようになります。

 

そしてその遂行事項と人間関係は更なる発展をします。

しかし、価値観、ミッションが共有されていなければ、分かり合えることは少なく、人間関係は「おざなり」になっていくものと思います。

 

「目的に焦点を合わせることにより、

初めて本質的なよい人間関係がもてる」

 

です。

 

是非、在宅医療、介護チームは

ミッション(目的)を共有し、

ざっくばらんな

 

「腹の見える連携」「本質的な良い人間関係」

 

が促進されれば、利用者様、患者様への質の高い支援チームとなりえるでしょう。

以上、イワシタでした。

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