Quality Of Life「人生の質」を良くするには何が必要でしょうか? 一般的にその答えは「お金」と考える人が多いかもしれません。何故なら、お金によって健康や経済的な安定、好きな事を学べるなどの様々な理由があるからです。
しかし、経済的な安定が本当の「幸せ」「人生の質」の向上に繋がるものなのでしょうか?
2012年4月に国連から発表された世界幸福度報告を見てみましょう。
世界一の経済大国アメリカは17位、2位の中国は93位、3位の我が国日本は、43位とGDPの高い国の幸福度が他国よりも必ずしも高いと言えない結果が出てしまいました。
今回は、2012年の国別幸福度でランキングが1位になったデンマークの福祉から、人生の質や幸せについて紐といていきたいと思います。
デンマークの社会保障
調べてみるとデンマークには、日本ではない様な手厚い社会保障がありました。
医療や福祉、教育は原則無料であり、18歳以上の学生は返済義務のない生活支援金がもらえます。たとえ、障害があっても年金や住宅、様々な種類の補助器具が無料で提供され、独立して生活するサポートがあります。定年後にも国民年金や高齢者住宅などの提供という現在の日本では考えられないような支援があります。
この高水準の高齢化福祉を支える為には、国民の負担も決して少なくありません。所得の半分以上は税金として取られてしまいますが、国民は、手厚い社会保障により、十分な見返りがあることを実感している為、この税金の負担を苦に思っている方は、ほとんどいません。
現在の日本は、高齢者社会が進んでいますが、デンマークの様な保障が受けられない為に多くの悲しい事件が高齢化施設で発生しています。
以下のニュースも、みなさんの記憶にもあるでしょう。
今回は、デンマーク政府が取り組んでいる高齢者福祉の三原則について取り上げたいと思います。
高齢者福祉の三原則 (参照:日本医療大学)
継続性
可能な限りの在宅を意味します。デンマークでは、1980年代から24時間在宅ケアが始まり、必要があれば1日何度でも訪問ケアを無料で受けることができます。
この考えは施設ケアに移る時も同様で、本人の意思により使い慣れた家具や調度品を自室に持ち込むことも認められています。
この方針により、高齢者のライフスタイルは出来るだけ維持されています。
自己資源の活用
デンマークの介護の基本は、「自助への支援」であり、本人ができない部分だけ支援することです。本人の出来ることは、自分の力でしてもらうということが、モットーです。
日本では考えられない発想かもしれませんが、「必要のない範囲まで助けることは、高齢者をダメにする。」というのが、デンマークの介護職員のご意見だそうです。
自己決定
「自分の力、思いで生きること」が、人生の質や幸せの向上のヒントになるのかもしれません。
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