作業療法士の『作業』って? ~ 作業療法士・理学療法士・言語聴覚士の違い ~

2015.12.10 キャリア
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いろんなリハビリ職の「呼び方」

英語で「Occupational Therapist(オキュペイショナルセラピスト)」と言うことから、私達の職種は略して『OT(オーティー)』とも呼ばれています。自分たちを『OT』と呼んだり、セラピストと呼んだりします。

同じくリハビリテーション専門職の国家資格として、理学療法士(PT)・言語聴覚士(ST)があります。

看護師さんには、「PTの○○さ~ん。」と呼ばれることが多々ありました。また、「手作業の先生~。」と呼ばれることも・・・実際に字を書く練習をしたり、お箸を使う練習をしたり、折り紙などの手を使う作業を実施するから、間違ってはいないのですが・・・。

看護師さんは、OTもPTもSTも『リハビリの人』、または『リハビリ=PT』、『PT=足のリハビリ』、『OT=手のリハビリ』、『ST=口のリハビリ』など様々な認識しているようです(区別の仕方や理解の度合いは個々の看護師さんにもよると思いますが・・・)。

そして、リハビリテーション専門職の私達は、

医療機関では患者さんに『○○先生』と呼ばれたり、スタッフ同士も『先生』と呼び合うことがありますが、最近では『○○さん』と呼ばれることの方が多くなっている傾向があります。

若かりし頃、私が大先輩から告げられたことは、「検査技師も放射線技師も薬剤師も国家資格を持ったコメディカルスタッフなのに、リハビリ専門職だけ『先生』と呼ばれたり、呼び合っているのはおかしい、など指摘されたから、今後は『さん』と呼び合うように。」という内容でした(コメディカルスタッフ⇒医師や歯科医師の指示の下に業務を行う医療従事者)。私よりも10年以上も大先輩を今まで『□□先生』と呼んでいたのに、急に『□□さん』と呼べるはずがなく、とても戸惑い、『さん』と呼べるまでに相当時間がかかったことを思い出します。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の違い

検査技師や放射線技師や薬剤師さんは、病院に勤務していない人でもどんな仕事をしているのかなんとなくイメージができるのではないでしょうか・・・。

しかし、作業療法士・理学療法士・言語聴覚士、特に作業療法士と理学療法士の違いを認識している人、そして言葉で説明できる当のセラピストはいったいどのくらいいるのでしょうか・・・。

各職種の違いや特徴の私的な見解は、、、

理学療法士(PT)

理学療法士(PT)は、主に体に着目し、筋力が低下している・関節が曲がらない、などその人の悪いところの原因を追究し、良くして、生活しやすくする職種です。

作業療法士(OT)

作業療法士(OT)は、筋力が低下しているけど、こんな道具を使えば一人でできる・こんな方法なら関節が曲がらなくてもできる、心の病で仕事に就けないけどこんな環境の職場でなら勤務できる、などその人のイイところ探しをする職種で、体だけでなく、心や頭のリハビリも実施します。

言語聴覚士(ST)

言語聴覚士(ST)は、話す・聞くなど言葉に関することや食べることに関するリハビリの専門職です。

 

共通しているのは、その人らしい生活や人生を取り戻す支援をすること、ではないかと思います。

作業療法士の『作業』って?

『作業』と聞くと、農作業とか労働作業などを思い浮かべる人が多いようで、職業に関する職種だと思っている人が多いようです(復職支援にも携わることがあるのであながち間違ってはいませんが・・・)。

作業療法士の『作業』とは、ぬりえや折り紙、革細工、陶芸などの創作活動のみのことと思われがちですが、人間が朝起床してから、就寝するまでに行うすべてのことを意味します。

例えば、朝起きて歯磨きや着替えをすること(いわゆる日常生活動作【ADL】です)、自転車または車を運転して学校に行くこと・出勤すること、授業を受けること・その内容をノートに書くこと、バイトに行くこと、料理や掃除・洗濯をすること・・・すべてが『作業』なのです。

作業療法士は病気やケガなどでできなくなった『作業』をリハビリを通していかにしてできるようにするか・・・というのが仕事です。

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