地域包括ケアの肝となる「ソーシャルキャピタル」

2017.4.28 在宅医療, 在宅介護
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「ソーシャルキャピタル」って聞いたことありますか?

最近、超注目されているので是非知っておいて欲しい言葉です。

ソーシャルキャピタルとは、「社会的な繋がりとそこから生まれる規範・信頼であり、効果的に協調行動へと導く社会組織の特徴」(Putnam,1993)と言われ、医療介護の業界では、千葉大学の近藤克則医師らによるJAGESプロジェクトがよく知られています。

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しかし、ソーシャルキャピタルについては、多くの研究者が様々な定義をしており、その内容についても一様ではありません。

ソーシャルキャピタルの「3要素」と「2分類」

厚生労働科学研究では、理解しやすいように以下の3つの要素で表されています。

▷他者や地域に対する「信頼」

▷お互い様という「互酬性の規範」

▷社会的ネットワーク(つながり)

これらの3つの要素は独立して存在するのではなく、相互に関連しており、地域におけるつながりを通して、人と人の信頼やお互い様という規範が生まれるのです。

また、これら3つのソーシャル・キャピタルは、『認知的』『構造的』の2つに分けられます。

▷他者への信頼、互酬性の規範は、“本人がどう認知しているか”という形で測定されるので、『認知的ソーシャル・キャピタル』と呼ばれます。

▷社会ネットワークは人がどのようにつながっているか、目に見える「構造」であることから、『構造的ソーシャル・キャピタル』と呼ばれます。

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 どんな人でも大なり小なり「組織の一員」

人は、地域において様々な組織の一員として生活をしています。

異なる組織や異なる価値観の人々と繋がることは、新たな活動を創出するきっかけになり、多くのポジティブな効果をもたらします。

例えば、「PTA」と「老人クラブ」がつながれば、子どもたちに伝承遊びを教える教室など三世代交流を活発化させます。

「企業」と「自治会」が繋がることで、災害時、企業の職員が地域住民の救助に当たる協定を結んでいる地域もあります。
また、工場のお祭りを地域に開放して、地域住民と交流機会を持っている企業もあります。

日本には、こうした組織やコミュニティに対して、上部組織があることが少なくありません。

ソーシャルキャピタルにおいて、横の繋がり、縦の繋がりを把握することはとても重要です。

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おわりに

平成27年度からリハビリ専門職等を活かした介護予防の機能強化の取り組みとして「地域リハビリテーション活動支援事業」が創設され、そのなかで、リハビリ専門職等は『住民運営の通いの場に定期的に関与すること』が求められています。

こうした前提として、リハビリ専門職に限らず、地域で働く医療介護職は他者や地域に対する「信頼」、お互い様という「互酬性の規範」、社会的ネットワーク(つながり)を把握しておく必要があるのではないでしょうか?

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