地域包括ケア実現に向けた「退院支援」の在り方

2017.5.2 在宅医療, 在宅介護
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患者が病院から退院する時、どんなことを考えて支援していますか?

ソーシャルワーカーやケアマネージャー、家族に丸投げになっていませんか?

地域包括ケアを実現するために、この「退院支援」を意識しておくことは重要です。

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本日は、退院支援の実際について見ていきます。

退院支援は生活の場へ戻るための支援

病院で入院されている患者様は、病気や障害をもつ人である以前に、生活者であり、家族や職場や地域の中で役割を持っています。

自宅には普段の暮らし、なじんだ部屋、いつものご近所、見慣れた風景があります。

そして、多くの場合、病気や障害があっても適切なサービスを使ったり環境を調整したりすることにより、住み慣れた場所で暮らしていくことができるのです。

病院から生活の場へ戻っていくための支援、それがすなわち「退院支援」です。

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 病院で退院支援が難しい「3つ」の要因

多くの医療機関で退院支援がスムーズに提供できない要因は以下の3つが考えられます。

①退院支援の取り組みが遅い

②退院後の在宅医療をイメージした退院支援・調整ができない

③患者を総合的、時間軸で捉えることが苦手である

高齢や慢性疾患等で、病気や老いの影響によってどう変わっていくのか。

それでも望む場所でどう生きていくのか、その延長戦が最後のときをどこで迎えたいか。

そういったことを、医療者からすこしづつ投げかけて、早い段階で一緒に考えいていくことを実践していくことが必要です。

その際、外来での在宅医療支援の場では、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)、がクオリティ・オブ・ライフ(QOL)、クオリティ・オブ・デス(QOS)を支える医療やケアに繋がります。

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退院支援・調整を理解するための「3段階」プロセス

第一段階:退院支援が必要な患者の把握
第二段階:生活の場に帰るためのアプローチ
第三段階:地域・社会資源との連携

退院支援においても、支援が難しい事例が増加していくことが予想されます。

支援体制構築に向けては、地域の多様な社会資源が結びついたネットワークの構築、医療機関と行政、地域包括支援センター、社会福祉協議会、民間企業とのさらなる協働による支え合いのしくみづくりが求められます。

フランスでは「在宅入院」として高度な医療を含めて自宅で行えるようにする制度があり、これは自宅にいながら「入院」とアカウントされます。

医療ニーズを有する患者の退院を促進するためには、これらの国のように、退院後に集中的にサービスを投入する仕組みを整える必要があるかと考えられます。

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おわりに

退院支援は医師、受け持ち看護師や福祉の専門家である医療ソーシャルワーカー1人で支援できることではありません。

みなさんの病院では、退院について誰が決めていますか?

看護師、リハビリスタッフ、退院調整部門をはじめとするチームでかかわっていますか?

参考資料

宇都宮宏子、坂井志麻:退院支援ガイドブック
宇都宮宏子、三輪恭子:これからの退院支援・退院調整
リハビリナース:リハビリ病棟の退院支援

記事提供

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