改めて考える!高齢ドライバーの免許自主返納の必要性

2017.5.7 在宅医療, 在宅介護
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昨今、高齢ドライバーの事故が後を絶たない状況です。

 

先日も大分で病院の待合に高齢女性ドライバーが「アクセルとブレーキを間違え」突っ込んだというニュースが報じられました。

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こうした流れを受けて、本日は昨今話題の「免許自主返納」について改めて考えたいと思います。

高齢ドライバーを取り巻く現状

記憶に新しいのですが、今年の3月12日に高齢ドライバーの認知症対策を強化した改正道路交通法が施行されました。

 

道路交通法の改正の背景には、近年の高齢運転者の交通事故の増加があります。

 

平成27年に警察庁が行った報告によりますと、交通死亡事故件数全体のなかでも「75歳以上運転者」の割合は、約10年前と比較して約2倍に増加しているようです。

 

大阪市や名古屋市といった都市部の高齢者1万人のうち、認知症の疑いのある男性高齢者の6割は自動車運転を続けているという報告もあります。(国立長寿医療センター)

 

また、大分県では後期高齢者ドライバーのうち認知症のおそれがある人は433人にものぼるそうです。

 

このように、認知症になっても、多くの人が自動車運転を継続していることが分かりますね。
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地方高齢者にとっては死活問題!?

地方に住む高齢者にとって、自動車運転は生活に欠かせない交通手段です。

 

認知症を自覚していても、いなくても、免許を手放せない人は多いでしょう。

 

さて、少し遡って平成10年の道路交通法改正では、運転免許の自主返納制度が開始されています。

 

各都道府県では、高齢者運転免許証返納サポート協議会が発足され、都道府県や市町村の自治体・協賛店などにて様々な特典割引・優遇制度が用意されています。

例えば、
▷バス、タクシー、鉄道の運賃割引
 
▷温泉入浴宿泊割引
 
▷信用金庫の金利優遇
 
▷引っ越し料金割引
 
▷商業施設サービス割引▷ホテル内サービス割引  等

 

各都道府県でのこういった取り組みもあり、平成27年の返納総数は約10年前と比べ、10倍以上に増加しています。

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返納のデメリットとは?

自動車運転免許の返納にはデメリットも挙げられます。

▷病院や買い物などいつも1人で行っていた場所へ行きにくくなる。

▷認知症が進んでいたり、足や体が痛くて歩くことができない場合、家族に頼ることが多くなり、家族の負担が増えてしまう。

▷車を運転する機会がなくなる事で外出の意欲が無くなり、引きこもってしまう場合がある。

 

公共交通機関が整っていない地域では特にその困難さが増すでしょうし、認知機能や運動機能の低下に繋がってしまう恐れもありますよね。

 

自主返納後に移動手段が確保できずに困っている人は多いでしょう。

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返納後も変わらない生活を送るためには?

返納後も今までと変わらない生活を送ることができるようにするためには、

▷スーパーや病院までの送迎バスの増加

▷バスの運行本数や停留所の増加

▷バスが使える地域を増やす

▷タクシーの値下げ・割引

▷自転車道路の整備

▷自動運転の普及  等

 

こういったハード面の整備が重要になります。

 

自動車運転は地域における移動手段のひとつですが、移動の自立や自由の保障により、生活、就労、社会参加、役割、生きがいを保障する活動といえます。

 

運転ができなくなる高齢者にとっての移動手段の確保は重要ですよね。

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おわりに

運転免許返納後の地域における特典やサービスを把握し、

 

『その地域ではどのような資源が利用できるのか?』
 
『どのような事が困難となるか?』

 

地域における現状と課題を知った上で、高齢者の生活を支援できる仕組みを考えていく必要がありますね。

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