「多職種連携」を円滑に進めるにはどうすればいいか?

2017.5.14 在宅医療, 在宅介護, キャリア
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hosokawa

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「連携」って言葉は良く聞きますが、実態を理解していない専門職は多い気がしています。

 

「連携」を進めるに当たっては、1つの専門職のみでは取り組みを進めることはできず、住民や多職種、地域包括支援センター、企業等と様々な関係者と連携を図りながら、包括的に取り組みを進める必要があります。

 

このため、「連携」を円滑に進めていくことは重要な要素となります。

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今回はこの連携の中でも、「多職種連携」について考えてみたいと思います。

 

普段の業務でも多職種と連携する機会は多くありますが、改めて多職種連携を円滑に進めるには、どのような能力が必要になるのでしょうか?

 

以下に、多職種連携コンピテンシー(能力)モデルを要約します。

多職種連携コンピテンシーモデル

♦コア・ドメイン(特に重要な2つ)♦

①患者・利用者・家族・コミュニティ中心

患者・サービス利用者・家族・コミュニティのために、協働する職種で患者や利用者、家族、地域にとっての重要な関心事/課題に焦点を当て、共通の目標を設定することができる。

②職種間コミュニケーション

患者・サービス利用者・家族・コミュニティのために、職種背景が異なることに配慮し、互いに、互いについて、互いから職種としての役割、知識、意見、価値観を伝え合うことができる。

 

医療保健福祉の多職種はそれぞれの専門性を活かした視点を持っているがゆえに、各専門職が独立して掲げる目標設定が異なる可能性があります。

 

だからこそ「患者・利用者・家族・コミュニティ中心に重要な関心事/課題に焦点を当て、共通の目標を設定することができる」ことが多職種連携の目的であり、欠くことができない要素となります。

 

職種間コミュニケーションは、職種背景が異なることに配慮し、互いに、互いについて、互いから職種としての役割、知識、意見、価値観を伝え合うことができる能力です。

 

この職種間コミュニケーション能力はコアドメインを支えあう4つのドメイン全てに関わる能力でもあります。

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♦コア・ドメインを支えあう4つのドメイン♦

職種としての役割を全うする
互いの役割を理解し、互いの知識・技術を活かし合い、職種としての役割を全うする。

関係性に働きかける
複数の職種との関係性の構築・維持・成長を支援・調整することができる。また、時に生じる職種間の葛藤に、適切に対応することができる。

自職種を省みる
自職種の思考、行為、感情、価値観を振り返り、複数の職種との連携協働の経験をより深く理解し、連携協働に活かすことができる。

他職種を理解する
他の職種の思考、行為、感情、価値観を理解し、連携協働に活かすことができる。

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お互いの「価値」を知るところから始める

このように多職種連携を進めるにあたり、医療介護の専門職としての責任感を持ち、役割を全うする中で、他職種に自らの専門性や職域を知ってもらうことは必要な要素です。

 

ただ、相手に知ってもらうだけではなく、他職種の役割や思考、またはどのような価値観を持っているのかを理解することも連携を進める上で必要な要素になります。

 

これは多職種連携のみに言えることではなく、地域での関わりを持つ場合にも必要な視点です。

 

地域での取り組みを進める上で、病院や施設業務では関わらない地域包括センターや社会福祉協議会、企業等様々な関係者の方と関わる可能性があるため、関わりを持つ関係者の方について、まずは知ることから始めてみてはいかがでしょうか?

参考資料

・医療保健福祉分野の多職種連携コンピテンシー  多職種連携コンピテンシー開発チーム
・地域包括ケアと他職種連携 日本医師会

記事提供

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