大学病院から在宅医療に進んだ理学療法士の話

2017.6.22 在宅医療, キャリア, ライフスタイル
この記事を書いた人
てっちゃん

てっちゃん

この記事をシェア

LINE
この記事が気に入ったらいいね!

 

みなさん、初めまして。

この度、CoMedi専属ライターに就任した『てっちゃん』こと、吉田哲也です。

今回が初投稿になるため、まずは私の自己紹介をさせていただきたいと思います。

unnamed

 

理学療法士になった理由

いろいろな方たちから、「なんで理学療法士になろうと思ったの?」と聞かれることは少なくありませんが、いつもその答えに悩んでいます。

と言うのも、実はそのきっかけが特にないからです。笑

私が高校生の進級時に文系か理系か選ぶ時に、とりあえず国語は嫌いだけど数学は好きだから理系にしようと思っていました。しかし、理系を選択したところで、そのあとの大学や職業は全く考えがなく、たまたま友人と話していて、その友人の友人が「理学療法士になりたいらしいよ」と聞き、「理学療法士?なんだそれ?物理の人?なんかかっこいいやん」と言うのが理学療法士との出会いでした。笑

よくわからないと言うことが興味を引き、理学療法士について調べると、その当時は「リハビリをする人か」と知って、もともとサッカーをしていたこともあり、この職業ならサッカーとかスポーツにも関われるかなーと単純に思ったのがきっかけでした。

特に怪我をして理学療法士にお世話になって憧れたからとか、そう言うものは全くなかったです。

fotolia_145293285

 

転機① 臨床総合実習

そんなこんなで理学療法養成校に入学し、初めは整形外科分野やスポーツ分野の理学療法がやりたいなーとなんとなく思いながら学生生活を過ごしていました。

学生生活では授業をサボってよく遊びに行っていましたね。笑

田舎の大学でしたが、いわゆるキャンパスライフを満喫していました。

勉強もほどほどでなんとなく過ごしていた学生生活で、理学療法士として明確なものが見えたのは、初めての臨床総合実習でした。

そこで指導していただいた指導者が、呼吸循環の内部疾患に強い理学療法士(筋骨格系も強かったです)で、基本的な知識はもちろん、理学療法士とは何か、医療者とは何か、そして社会人・人とは何か、という根本まで指導をしてくれました。

それまでなんとなく過ごしていましたが、自分はその指導者のような理学療法士になりたい!と強く思い、今まで整形外科分野しか考えていなかった私に、呼吸器や循環器の内部疾患分野の理学療法に興味を持たせてもらい、その道に進む転機となりました。

ちなみに、その指導者とは今でもたまに連絡をし、数年単位ではありますが食事もしたりといつも刺激をもらっています。

 

大学病院に就職

呼吸分野に興味を持ちながら、その分野に関われるようにということで、地元の某大学病院に入職しました。新人1年目の頃は呼吸器疾患の患者様を担当することはありませんでしたが、呼吸器分野、特に集中治療領域のいわゆる超急性期のリハビリテーションに関しては、県外の研修にも参加して基礎の土台を作っていました。

超急性期のリハビリテーションは、心臓や消化器の大きな手術直後や重度の呼吸障害、大きな事故での緊急入院などで人工呼吸器をつけた状態の患者様を中心に、身体機能や心肺機能などを維持・改善するため早期離床(座位や立位など)をしていく分野になります。

重症度は高いので、状態を把握するアセスメントが非常に重要で、リスクも大きい分、やりがいも非常に感じられる領域です。

2年目の後半から呼吸器疾患の患者様を担当することができ、そこからは集中治療領域の担当をしていた先輩の金魚の糞のように付いて周り、超急性期のリハビリテーションに従事する日々を送りました。

やりたかった超急性期のリハビリテーションに関われる毎日がとても充実しており、その経験から呼吸器病棟の担当として、呼吸器疾患の超急性期から終末期までの患者様を任さられるようになりました。

しかし、自分の進みたい道へ進めている反面、少しずつ自分の中にモヤモヤも増え始めていました。

Fotolia_155915052_Subscription_Monthly_M

 

転機② 理学療法士として自分ができること

超急性期や終末期の患者様を担当していて、どうしても避けられないのが「死」でした。

もちろん、超急性期で重篤な状態でも回復に向かって自宅退院できる方もいれば、終末期でも自分の思う最期を迎えられる方もいます。

しかし、本当にこの人やその家族はこういう最期でよかったんだろうかと感じる「死」も目の当たりにしたのも事実です。日本の医療制度上の限界や私個人の捉え方もあるので一概には言えませんが、そのときに、自分の家族や大切な人がこういう最期を迎えるのを見たくない、と思ってしましました。

じゃあそうならないために、私が理学療法士として何ができるだろうと考えたときに、当時の私には何もできない、できる力がないと気付いたのです。

『重篤な状態になってしまうと理学療法士としてできることは限られる、それなら重篤になる前になんとかしなきゃいけない。』

そこで、私がたどり着いた先は「予防」というキーワードでした。(ありきたりですが…)

それまで呼吸器や超急性期の勉強しかしていなかった私ですが、そこから予防に必要な運動のこと、身体の仕組みなど人の根本の勉強に費やしていきました。

Fotolia_107493307_Subscription_Monthly_M

 

在宅医療へ

また、「予防」と同時に感じたのが、退院しても再入院してしまう人が多いということです。再入院はもちろん症状の悪化がありますが、日本の医療制度的にも入院期間を短くしているため、この状態で家での生活は難しいなと思っても自宅退院になってしまうケースも少なくありません。

この状態で家に帰って、本当に満足のできる生活ができているんだろうかと思うことも多いです。

入院期間の短縮は、今の日本の社会保障の考えてもそれは仕方がなく、そのために在宅医療を充実させることを方針としていますが、在宅医療が充実しているかといえばまだ十分とは言えません。

せっかく退院したのに、自宅で満足して生活できず、それどころかまた入院しなきゃいけない状況になるのはなんとかしなきゃいけない。よし、在宅医療に行こう!そして在宅医療でも症状悪化を「予防」するんだ!ということで在宅医療に進みました。

手をつなぐ介護職と利用者

 

終わりに

自己紹介も兼ねて、私が理学療法士になろうとしたきっかけから現在に至るまでの大まかな人生の流れをお話しさせてもらいました。

私は理学療法士としてはまだ6年目ですが、これまでの経験から私が理学療法士として誰のために何ができるのかを考えるようになり、今の道に進んでいます。

これからは在宅医療のことはもちろん、身体のことや予防のことなど、たまには余談も交えながら、幅広くみなさんにお話できればと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

これからよろしくお願いいたします。

 

カラダと地域を創造する理学療法士 吉田哲也

Facebook→吉田哲也

Twitter→Tetsuya Yoshida

個人ブログ→http://ameblo.jp/tetsuyao424

 

\ SNSでシェアしよう! /