目次
行政にリハビリ職員が求められる時代
PT協会とOT協会は平成8年度より日本公衆衛生協会の「地域保険推進事業」の中で、市町村等に所属する行政PT、行政OTが地域保健活動に関わることの研究を行ってきました。
そして、先日行われた、「H28年度 地域保険推進事業 報告集会」では、行政とリハビリ専門職が効果的に協働していくための“道しるべ”となる、「行政リハビリ専門職のための手引き」が紹介されました。
行政に必置義務のない行政リハビリ専門職が、その職能を行政のなかで活かすには、どのような能力が必要となるのでしょうか?
手引きから抜粋して考えてみたいと思います。
求められる7つの能力とは?
1.専門職である前に行政職員としての能力を高める資質
行政の行う施策には根拠となる法令があり、それを行うための予算があり、予算を使って事業するためには、わかりやすい起案文書の作成も求められます。
2.個人課題を地域課題や政策へと繋ぐ力
個別支援直接的アプローチにより、目の前のクライエントを支援してきたという歴史的流れのもと、個人が持つ課題を、地域へ、そして政策へと反映していくセンスが大切です。
3.制度主体ではなく住民主体で
法令に書かれてあることだけを実践するのが行政リハビリ専門職の役割ではありません。「個」や「地域」の課題や想いを大切にした住民主体の制度運営を心がける必要があります。
4.1対1だけではない、多様な支援を理解する
個に対する治療技術が養成課程の中心であるリハビリ専門職ですが、行政では集団・組織・地域・制作レベルなどの多様な支援形態があるということを知り、実践することが大切です。
5.行政にとって役に立つ存在であり続けること
なぜ行政にいるのか、何をしようとしているのか、行政リハビリ専門職の存在は行政にとってどのような意味を持つのか、常に考えることのできる力は大切です。
6.職能を外に向けて発信し、上手く周囲に使われること
行政内の様々な業務の中から、行政リハビリ専門職として関与できそうな仕事を見つけ、どのように役立つことができるのかアピールし、仕事を獲得していく必要があります。
7.時代の変化に対応できる柔軟性
制度、時代や情勢の変化に敏感であること、また、常に先見の目を持つために新たな情報をキャッチし、その変化に柔軟に対応できる思考が必要です。
(Photo by Fotolia)
まずは知ることからはじめる
H29年度からは、全ての自治体が総合事業へ移行されています。
・自立支援に向けた個別ケア会議
・短期集中サービスの訪問・通所C型
・住民運営の通いの場
これらに関わるセラピストは、行政、行政リハビリ専門職を知ることから初めてはどうでしょうか?
参考資料
行政リハビリ専門職のための手引き
記事提供
\ SNSでシェアしよう! /