【医療系学生~指導者必見!!】目標設定に関する正しい考え方とは

2017.9.5 いい話
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コメディ編集部です。

医療従事者は学生時代に患者様、利用者様を担当した時

「アセスメント→目標設定→治療→再アセスメント」

という流れを何度も叩き込まれます。

特に目標設定においては「最終目標・長期目標・短期目標」をたてるよう指導を受けます。

私も同様の目標設定方法を学び現在に至るまで多くの患者様、利用者様を担当させて頂き実践していました。

 

実はこの流れはシンプルでありながら非常に重要です。

 

これは医療従事者に限定したことではなく、偉大な事を成し遂げているひとは最終目標を明確にし、日々の生活の目標まで落とし込み毎日無駄の無いアクションしているケースが多いのです。

 

しかし残念ながら、多くの医療従事者が実践している目標設定方法には疑問を感じる事が多々あります。

今回はこの場を借りて私自身の日々のフィードバックも兼ね、その疑問と目標設定方法の再確認をしてみようと思います。

 

勘違いしがちな目標設定あるある

 

「今は回復期病棟に移ったから最終目標はこれじゃだめでしょ」という指摘

「最終目標→退院」

「100%エビデンスに基づいた目標で無ければいけない」

「入院時の目標=(根拠のない)病棟内ADL自立☆」

 

【勘違い目標設定あるある】の一部を書いてみました。

以上の項目を疑問に思わない方は医療従事者としてピンチです。

 

目標は医療側の目標ではなく本人の目標

最多勘違いあるあるです。

「今は回復期病棟に移ったから最終目標はこれじゃだめでしょ」

 

目標設定をする時、医療従事者が関わる時間(所属する病棟の入院期間)を軸にしていませんか?

 

目標設定は、医療従事者が独断で決定するものではありません。

医療従事者の専門的な視点やアドバイス、客観的な評価や提案は大切ですが、まずは本人の思いに寄り添い、そのうえで目標を共有しましょう。

 

 

最終目標”は急性期~維持期・生活期で変わらないはず

最終目標とは、その方が誰とどのような生活をしてどのように幸せを築いていくのか明確なものを指します。

つまり(急変等によるやむを得ない状態を除いて基本的に)急性期~維持期・生活期の最終目標が変わる事(ブレる事)はありません。

 

例えば、回復期セラピストが『最終目標=退院・自宅復帰』と目標を掲げることがよくあります。

退院することが人生の目標ですか?

 

その方の退院はあくまでも人生の通過点であり、

その後自宅(施設)でどう人生を送るかという事が重要な目標となります。

 

エビデンスは大事だが最優先ではない

「100%エビデンスに基づいた目標で無ければいけない」

これは非常に難しいところです。

 

患者様、利用者様からお金を頂いてサービスを提供している以上、成果を出すのは必至であり、その為に我々は研究者等の文献など閲覧し、高いエビデンスのある治療法を選択しています。

 

しかし、地域医療の現場では病院での支援と異なり

ニーズがより生活に沿った多種多様になるケースが多いです。

 

その為すべての支援内容にエビデンスを求める事は難しいのが現状です。

 

非常に抽象的ですが、エビデンスよりも「人間力」「センス」「経験」がその方の幸せを支援する場合に効果的となる事が多いのであくまでもエビデンスばかり追い続ける事が最優先ではないのです。

 

アセスメント・治療よりも目標設定が一番難しく重要

 

まずは入院している病棟で生活できるようになる!

「入院時の目標=(根拠のない)病棟内ADL自立☆」

 

 

私も実習中、残念ながらその一人でした。

どの患者様を担当してもほとんど目標設定は似たり寄ったりなのです。

正直あまり悩んだ記憶はありません。

 

流行りの評価スケールを使う事に労力を注いだ事もありましたが、正直これは勉強すれば誰でも使える便利ツールでしかありません。

 

「目標設定」こそ、コミュニケーションスキル、センス、経験など一番発揮されるところであり、ここをないがしろにするとどんな難しい評価や手技をマスターしていても決して患者様・ご利用者様を幸せにする事は出来ないでしょう。

 

 

まとめ

今回、意外と盲目となりがちな目標設定に焦点をあててみました。

 

今後、更に多種多様なニーズに対応する必要性が予想されるセラピスト。

評価や治療も重要ですが、目標設定も同様に重要なのです。

 

患者様や利用者様の中には障害受容に苦労している方や目の前の生活に精一杯の方が多くいらっしゃいます。

目標を支援するという事も医療従事者の強みではないでしょうか?

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