「ミクロ」と「マクロ」を繋ぐ地域ケア会議

2017.8.22 在宅医療, 在宅介護
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世界に類を見ない速度で少子高齢化が進み、単身や夫婦のみの高齢者世帯や認知症高齢者が増加しています。

 

そのため地域特性に応じた地域包括ケアシステムの構築が求められています。

 

地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域別の特徴や課題、取り組みなどが客観的かつ簡易的に把握できるよう、介護・医療関連情報を共有(「見える化」)するためのシステムの構築が必要です。

 

「見える化」とは、課題を常に見えるようにすることで、課題が発生してもすぐに解決できる環境を実現し、さらに課題が発生しにくい環境を実現するための取り組みのことです。

 

地域包括ケア「見える化」システム

 

厚生労働省が作成した地域包括ケア「見える化」システムは、都道府県・市町村における介護保険事業(支援)計画等の策定・実行を総合的に支援するための情報システムです。

 

「見える化」することにより、地域間比較等による現状分析から、自治体の課題をより容易に具体的に抽出可能となります。

 

医療・介護職がこのような地域課題を抽出する機会・参画する機会があるのが「地域ケア会議」です。

 

地域ケア会議の開催の主たる目的は、

 

①高齢者個人に対する支援の充実(在宅生活の限界点の引き上げ)
②①を支える社会基盤の整備(地域づくり)

 

が挙げられています。

(photo by Fotolia)

ミクロな視点とマクロな視点

個別のケースを地域の支援者を含めた多職種による専門的な視点を交えて、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントを支援する“ミクロな視点”。

 

個別ケースの課題分析から地域課題を抽出し、地域に必要な資源開発や地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映といった政策形成につなげることをも目指す“マクロな視点”。

 

これら2つの視点が求められます。

 

医療・介護専門職として地域ケア会議に参画する場合、対象者の課題解決に関わるミクロな視点として専門性を発揮することが多いと思われます。

 

しかし今後、高齢者人口が増えていく中で、ミクロな視点以上に1ケースから課題を抽出し、その他のケースにも汎用できるようシステム化するマクロな視点が重要です。

 

そのためにも「見える化」システムから地域課題の抽出や地域のことをより把握する必要があります。

 

自らサービスを提供する「プレイヤー」も非常に大切な役割ですが、これからは地域住民による自発的な活動や参加を働き掛ける「マネージャー」への役割転換も街づくりには重要になるでしょう。

 

(photo by Fotolia)

 

参考資料

・厚生労働省老健局:地域包括ケアに実現に向けた地域ケア会議実践事例集,2016,3
・厚生労働省老健局介護保険計画課:地域包括ケア「見える化」システム を用いた地域分析
・桑名市の 「介護予防・日常生活支援総合事業」の取組みについて

記事提供

 

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