「介護離職」を防ぐ最善策?-家事支援・代行サービスの可能性-

2017.9.9 在宅介護
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シライ

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介護保険外サービス、混合介護解禁に向けた議論が昨今のトピックになりつつあります。
そんな中、理学療法士でありながら「保険外」サービスである便利屋業をしている私、白井瑞樹が「セラピストが便利屋を経験してわかったコト」を連載でお伝えします。
本日は、「家事支援・代行サービス」に関する記事についてまとめます。
(photo by Fotolia)

家事支援の市場規模

経済産業省が2016年に発表した「家事支援サービスについて」というデータによると、将来的に家事支援サービスの市場規模は6000億円になると試算されてます。

 

なんと現在の健康食品市場と同程度です。

 

ぺット関連市場や国内ゲーム市場よりも大きいのです。

 

しかし、家事支援サービスの利用は現在たったの2%。

 

今後、市場が拡大するために必要な条件のとは何でしょうか?

 

 (photo by Fotolia)

家事支援サービスへの「補助」

「現在、家事支援サービスを利用していない理由」のランキングを抜粋してみました。

一位は「価格が高い」
二位は「必要性を感じない」
三位は「他人に家の中に入られることに抵抗がある」

参考:平成26年3月14日発表 経済産業省 家事支援サービスについて

 

やはり、一番のネックは「価格」ですね。

 

経産省も結論として「価格面では、利用者負担軽減のための方策を検討する必要がある」としていました。

 

そのような中、愛知県が「家事支援サービスの利用者負担を2割にする!」と宣言し、協力企業を募集しました。

 

共働き世帯や働く女性を対象として、家事支援サービスを1回2時間 5回利用できます。そして、利用料金4万円のうち8割を愛知県が補助してくれます。

 

「まずは家事支援サービスを使ってもらう!」という強い意志と方向性を感じますね。

 

実際に、国はホームヘルパーによる家事支援を排除し、その仕事を家事代行業者に担わせる方針を示しています。

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 ある会社の実例:ビザスク

ビザスクというコンサル会社では、社員に対して「月2回までの家事代行サービス」を全額補助する制度があります。

 

シングルマザーで社長の端羽英子氏は「自分が家事代行を体験して時間を有意義に過ごすことの大切さを、身をもって感じたから」この制度を始めたとのことです。

 

端羽氏はシングルマザーになった後、ビザスクという会社を立ち上げました。

 

 

今は中学3年生の娘をひとりで育てています。

 

 

社長業と生活を両立させる為には、時間を有効活用する必要があります。

 

 

そこで注目したのが「家事代行サービス」でした。

 

 

これまでも「家事代行サービス」と「生活の満足度」に関する記事を書いてきましたが、端羽氏の場合はズバリ「時間をお金で買うことで満足度を得る」というモデルのようなケースです。

 

 

端羽氏によると、代行サービスを使わない人は「金銭的な問題より家事を人に頼むなんて申し訳ない、という罪悪感のほうが大きい」とのことです。

 

 

そこで、「使わないともったいない」という気持ちにさせ、まずはサービスを使ってもらうために全額負担制度を始めました。

 

 

今では社員の半分以上がこの制度を利用しているそうです。

 

 
(photo by Fotolia)

家事支援・家事代行が「幸せ」をもたらす

上記したような家事代行などの時間節約型サービスを使うと、「人生の満足度が高まり幸福度が増す」といわれています。

 

 

ただ、これまでは海外の代行サービス業者を対象とした報告がほとんどでした。

 

 

そこで、「日本国内における代行サービス」でも同じような結果が得られたのでお伝えします。

 

 

どこの国でも「代行サービスの利用」と「生活に対する満足度」は関係しているようです。

 

 

詳細は以下から。

 

「働く」「福利厚生」「家事代行」に関する意識調査

 

参考:http://news.nicovideo.jp/watch/nw2942181 マイナビニュース

 

 

この調査は、政府が推進する「働き方改革」を受け、福利厚生や家事代行に対する個人の認知・利用実態を明らかにするために行われました。

 

 

調査によると、家事代行サービスを利用したことのある人のうち60%が「生活に大変満足または満足」と回答しました。

 

 

一方、利用したことのない人で「生活に大変満足または満足」と回答した人は34%でした。

 

 

その差は1.76倍。

 

 

ちなみに、生活の満足度と就業の継続希望にも強い相関がありました。

おわりに

今後、共働き世代が増加することで家事代行サービスも盛り上がっていきます。生活の満足度向上の為の利用はもちろん、介護離職を回避する為にサービスを利用するシーンも増えていきそうです。

 

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