皆さんもご存じの通り、日本は世界でも類をみない超高齢社会に突入しており、それに伴い死亡者数は年々増加しています。
そんな中、医療のあり方も変わってきており、機能回復や治療だけでなく患者様や利用者様の最期に寄り添っていくことを重視する緩和ケアが注目されています。
緩和ケアとは、『生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、クオリティー・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を改善するアプローチである』(世界保健機構 2003) と定義されています。
したがって、緩和ケアでは従来の治療を目的とした医療とは異なり、よりそれぞれの患者様や利用者様の価値観・精神面・生活スタイルなどに対して多角的な対応が求められます。
今回は、そんな緩和ケアの現場で働く理学療法士が患者様・利用者様の想いに寄り添っていくことを重視し、機能回復以外の手段を用いて患者様・利用者様の生活を豊かにしていくことに尽力したスライドを掲載しました。
どのように患者様・利用者様に寄り添っていけばいいのか。その手がかりを得られるスライドとなっています。是非、ご一読ください。
いかがでしたでしょうか?
医療において治療・機能回復が重要であるが故、つい医療者は治療・機能回復に固執してしまう事があります。
しかし、高齢化により複数の疾患を持つケースが増えてきた影響で、予備能力が低く機能回復が見込めないケースも増えてきています。その中で、患者様の望みを叶えることが求められる現代の医療現場では、治療や機能回復以外の方法を探っていくことが大切です。
そんな時、あなたは「機能回復が見込めないから、希望は叶えられないよ…」と諦めますか?
それとも、「きっと他の手段があるはずだ!」と試行錯誤していきますか?
療法士にとって機能回復はとても大事な役割です。しかし、それだけでは解決できないことも多くあります。今回の症例のように療法士の可能性をさらに広げていき、それを現場に還元していくことが求められています。
そのためには、まず目の前の患者様・利用者様の声、想いをしっかり聞く。当たり前のことですが、改めて見直してみてはいかがでしょう。
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