認知症サポーターと創る「認知症の方が住みよい地域つくり」とは?

2017.11.16 在宅介護
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hosokawa

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みなさんは、認知症サポーターってご存知ですか?

 

平成17年度に「認知症サポーターキャラバン」が開始してから10年以上が経過し、平成27年度末時点ですでに全国に約750万人を超える認知症サポーターが養成されています。

 

認知症サポーター養成講座を受けた認知症サポーターは、認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族を温かく見守る応援者であり、決して「なにか」特別なことをする決まりはありません。

 

それにもかかわらず、事業開始当初から認知症についての正しい知識を得ることを契機に、地域や職域の認知症サポーターにより、認知症の人への具体的な支援を実践する活動が自主的に発生し、全国各地で展開されています。

 

今回は、実際に認知症サポーターが地域でどのように活動しているのか、また、より活動するためにはどのような支援が必要なのかをまとめていきたいと思います。

 

 

自治体は「認知症サポーター活動」を把握しているのか?

認知症サポーターの登録制度については、「サポーター講座受講者全員を登録」が 78 自治体、「サポーター養成講座のうち承諾を得られた人(希望者)を登録」が149自治体あり、合わせるとサポーターの〈登録制度がある〉自治体が227を数えます。

 

自治体内における認知症サポーターの活動を把握しているかどうかを尋ねたところ、「把握している」が 214自治体となっています。

 

この214自治体に限定して活動の種類を挙げると「見守り」が121自治体でトップ、これに「オレンジカフェの開催または参加」が81自治体、「認知症サポーター養成講座の開催協力」が80自治体、「傾聴」が73自治体で続きます。

 

以下、「認知症の人やその家族を対象とするサロンの開催または参加」(45自治体)「介護予防教室等への協力」(41自治体)、「認知症サポーターがいる店舗の登録」(39自治体)、「SOSネットワーク等への登録」(36自治体)、「通所施設・入居施設等の行事協力」(28自治体)、「キッズサポーター(小中高校生)による認知症の人との交流」(22自治体)などとなっています。

 

なお、「その他」については、“徘徊模擬訓練の開催や参加・協力“やイベント等への参加も含めた”啓発・広報活動“、”地域での見守りや声かけ“といったものがみられました。

(photo by Fotolia)

サポーター活動として最も多い取り組みは?

サポーターの活動意欲・学習意欲としては、居場所の提供や自宅への訪問など地域に役立つ支援を工夫して行っていたり、認知症専門ボランティアの養成やさらに研修を受けて自己研磨を図る等、活動仕組みつくりを行っているサポーターが見られます。

 

このように、全国の認知症サポーターたちが自主的に活動を開始し、さらに知識を得ていこうとする活動意欲や学習意欲が、現在実施されている活動の根底にあることが伺えます。

 

早期発見・対応へつながる相談機関との連携では、地域包括センターとの情報提供など、地域で気になる人があれば、しかるべき相談機関へ情報を提供し、連携を図ることは全国的に行われています。

 

また、地元の企業や店舗等と地域包括センターとの連携に結びついている自治体も見られています。

 

サポーターに見守り活動は最も取り組みで多い活動です。

 

地域の見守り力が向上し徘徊行方不明で捜索する事案が2年感発生していなかったり、サポーター間で情報共有すること体制作りに加えて、オレンジカフェへの参加を働きかけるなど、見守りが本来の目的を発揮し、確実に地域づくりに役立っている結果も明らかになっています。

(photo by Fotolia)

おわりに

以上より、調査結果から全国で認知症サポーターが多様な活動を実践している現状が明らかになったが、全国には意欲はあるが、何をしたらよいか検討中である認知症サポーター多いと考えられます。

 

このため、認知症サポーターが地域の実情に応じて、自分たちにできる活動を自主的に展開するためのヒントを事業実施自治体に提供することにより、認知症サポーターの潜在能力を具体的支援へと結びつけることを後方支援する必要があります。

 

認知症サポーターのステップアップ講座の実施は、認知症への正しい理解をスタート地点とした、誰もが参加しやすい地域のニーズに即した支援活動を自治体が継続していくために有効であると考えられます。

 

現在、認知症サポーターが必要としている学習内容は、大きく「認知症についての知識をさらに深める」「地域の認知症の人の暮らしに役立つ活動に必要なノウハウ」の二つに分けることができるため、サポーターに対して地域の実情に合わせたフォローアップを行うことで、より認知症のある方が住みよい地域を作っていく必要がありそうです。

参考資料

全国キャラバン・メイト連絡協議会:認知症サポーター等の資質向上に関する調査研究事業報告書、 H28.3

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