「合理的配慮」と言われても・・・障害者による障害者の労働力PR

2016.1.19 ライフスタイル
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さやや

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平成25年改正障害者雇用促進法において、事業主の障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務が規定され、平成27年3月には、その具体的な内容を定める障害者差別禁止指針及び合理的配慮指針が策定されました。障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務については、平成28年4月から施行されます。いよいよです!

 

私の想像では、多くの方が、一般企業の障害者雇用に対して懸念をお持ちではないかと思うのです。身体障害・知的障害・精神障害を持った方が自分の勤めている企業に入ってきて自分の部下になったら、皆さんはどう感じるでしょうか。これまでの仕事をこれまで通りにできると感じるでしょうか。あるいは自分だけでなく、企業として、生産性や業務パフォーマンスを維持できるか、疑問に感じられる方もいるのではないでしょうか。

 

そんな皆さんに安心して頂ける内容かはわかりませんが、障害者の目線から、障害者にできることを書き、障害者の労働力をPRしたいと思います。

(PRというか、自分に言い聞かせている部分もあります。)

 

結局、皆さんのそういった懸念や疑問が、障害者差別などの理不尽な待遇につながっていくのです。その懸念や疑問を払拭するのは、障害者の使命だとも思います。

 

企業で働く_4

 

社会構造の変化・・・障害者雇用は今後ますます重要視される

安倍首相が「一億総活躍社会」を提唱していることは皆さんご存知の通りです。その背景には、少子高齢化と人口減少という大きな日本の問題が潜んでいます。この問題はすぐに解決するはずもなく、当分我々日本人がお付き合いしなくてはいけない社会構造的な問題です。

働き手が今後ますます不足していくことがわかりきっている中で、マイノリティ(障害者)と呼ばれる人たちを差別し、労働力と見なさないのは、時代遅れではないでしょうか。

あるいはこうも言えるかもしれません。個人の利益、企業の利益だけを追求するのは時代遅れで、今は「国をどう維持するか」を皆で考える時代なのではないでしょうか。

 

障害者に対する合理的配慮によって、健常者の、あるいは企業の生産性が落ちることを懸念している方に私が言いたいのは、それだったりします。

健常者の皆様や企業の生産性が落ちることは障害者の私が全否定してはいけないと思っています。

しかし、今は「国をどう維持するか」がひとつの風潮であり、その風潮の中で障害者は一役買うことができるのではないかと思っているのです。(※1)

 

 

 障害者はきっと時代を牽引する

それを思うと、これから企業に雇われる障害者は次のような役割を果たすべきだと思います。

 

  • 「障害者ってやっぱり使えないなぁ」と皆から思われて全国の障害者全体の評価を下げてしまわないようにする
  • 企業の中でこれから働く障害者のための基盤を作る

 

障害者が今後ますます労働力として評価されるかどうかは、今企業に勤めている&勤めようとしている障害者の皆さんにかかっていると思います。そして、障害者雇用のノウハウの少ない企業は、皆さんを通して学習するのではないでしょか。

 

 

障害者を雇う企業が今しなくてはいけないことは、これからも継続的に障害者を雇うことを踏まえた職場の環境づくりであって、

必要となってくるのは「障害者の視点」と「障害者を雇うノウハウ」といったものです。

それであれば、まさに今、どんな障害者も、企業に貢献することができるのではないかと私は思います。

 

障害者として雇われてみて、どう感じたか。

その障害者の思いが、企業の財産となっていくような気がしてなりません。

 

 

障害者は、確かに障害者と呼ばれるだけあって、普通と呼ばれることができない存在かもしれません。しかし、障害者はこれからは強みを活かして仕事をしていかなくてはなりません。

障害者は、みんな強みを持っています。強みを活かすことがダイバーシティ経営の基本です。

 

障害者の視点が社会の役に立つのだとしたらー

障害者の強みは何かというと、障害者であることそのものだったりします。

障害者にとってこんな追い風は今しかありません。

 

 

さいごに

今、障害者雇用にスポットライトがあたっていますが、障害者はそれに甘えてはいけないのだと思います。これからも障害者が社会に労働力として評価されるかは、今雇用される障害者のはたらきにかかっていると思います。

私は障害者施設で有能な障害者の方をいっぱい見てきました。

障害者が今後ますます社会から評価を受けることを願ってやみません。

 

 

(※1)

皆さんの中には、国を維持するためには、健常者の皆様や企業の「生産性」こそ大事だから、健常者や企業の「生産性」を犠牲にして「国をどう維持するか」を考えることは、矛盾しているという方もおいでるかもしれません。

私は専門家ではなくて、経済学的に正しい説明ができないことが非常に残念なのですが、確かに、GDPのことなどを思うとその見方も正しい気がします。

しかし、「国をどう維持するか」にはいろんな答えがあると思うのです。

障害者は先天的にも後天的にも生まれるものであって、当分いなくなることはないと私は考えています。

未来の障害者の評価や立ち位置は今の障害者が作っている側面があります。

今を生きる障害者は、未来を生きる障害者のために一役買っているのです。

「国の維持」とは、違う立場の者が共存する国家の維持という意味合いが込められています。

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