うちのばあちゃんが認知症になった。
と言っても、まだ軽度というか、初期のようだが。もう80歳も半ばだから、そんな年である。
見た目にはわからない。日中はいつもどおり草むしりをしているし、ご飯も作れる。
ただ、顔を合わす度に「ご飯食べたか」と聞いてくる。
さっき昼ごはん一緒に食べたじゃないか、とは、言わない。
言えない。
認知症の初期ってこんな感じだと聞いていたので、仕方ないかなと思うけど・・・。
何を話しても、もう覚えてもらえないのかな、という悲しさ。
と、毎日何回も同じことを聞かれると、さすがに嫌な気持ちにもなってしまう。
そんな繰り返しの中で、どうすれば自分は気持ちを保てばいいのだろう、と考えてみた。
ボケてくると、一番やりたいことだけが出てくる
知り合いの介護士曰く、「認知症になると、自分が一番好きなこと、気になることだけが表に出てくるようになる。ご飯が好きな人はご飯の話ばかりするし、趣味、例えば将棋が好きな人は将棋の話ばかり。エッチな話が好きなおじいちゃんはその話ばかりする。(笑)」
ということは、だ。
うちのばあちゃんは、「ご飯食べたか」といつも聞いてくる。腹をすかせてないか心配している。
これはつまり、ばあちゃんの中では「子どもにご飯を腹いっぱい食べさせたい」という思いが、一番なんじゃないか、と。
戦前・戦中のひもじい時期を生き抜いてきたばあちゃん。ご飯を食べさせることってのは、今以上に大事で、大変だったんだろう。子どもにご飯をしっかり食べさせることが、ばあちゃん自身にとって一番大事なこと、だから今でも言い続けてる。
裏を返せば、それだけ、子どもたちのことが好きだってことだ・・・
って思ってからは、「ご飯食べたか」の台詞も嫌にならなくなった。
お腹いっぱいと言うと、今度はお菓子を薦めてくるけど。(笑)
いつもありがとう、ばーちゃん。
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