うちのばあちゃんが認知症になった

2015.11.27 いい話
この記事を書いた人
編集部員

編集部員

この記事をシェア

LINE
この記事が気に入ったらいいね!

うちのばあちゃんが認知症になった。

と言っても、まだ軽度というか、初期のようだが。もう80歳も半ばだから、そんな年である。

見た目にはわからない。日中はいつもどおり草むしりをしているし、ご飯も作れる。

ただ、顔を合わす度に「ご飯食べたか」と聞いてくる。

さっき昼ごはん一緒に食べたじゃないか、とは、言わない。

言えない。

認知症の初期ってこんな感じだと聞いていたので、仕方ないかなと思うけど・・・。

何を話しても、もう覚えてもらえないのかな、という悲しさ。

と、毎日何回も同じことを聞かれると、さすがに嫌な気持ちにもなってしまう。

そんな繰り返しの中で、どうすれば自分は気持ちを保てばいいのだろう、と考えてみた。

ボケてくると、一番やりたいことだけが出てくる

知り合いの介護士曰く、「認知症になると、自分が一番好きなこと、気になることだけが表に出てくるようになる。ご飯が好きな人はご飯の話ばかりするし、趣味、例えば将棋が好きな人は将棋の話ばかり。エッチな話が好きなおじいちゃんはその話ばかりする。(笑)」

ということは、だ。

うちのばあちゃんは、「ご飯食べたか」といつも聞いてくる。腹をすかせてないか心配している。

これはつまり、ばあちゃんの中では「子どもにご飯を腹いっぱい食べさせたい」という思いが、一番なんじゃないか、と。

戦前・戦中のひもじい時期を生き抜いてきたばあちゃん。ご飯を食べさせることってのは、今以上に大事で、大変だったんだろう。子どもにご飯をしっかり食べさせることが、ばあちゃん自身にとって一番大事なこと、だから今でも言い続けてる。

裏を返せば、それだけ、子どもたちのことが好きだってことだ・・・

って思ってからは、「ご飯食べたか」の台詞も嫌にならなくなった。

お腹いっぱいと言うと、今度はお菓子を薦めてくるけど。(笑)

いつもありがとう、ばーちゃん。

\ SNSでシェアしよう! /