この記事を開いて頂いた方は、ご自身の今後のキャリアの積み方について色々な選択肢を考えて、学位取得に少なからず興味をお持ちの方だと思います。
現在、作業療法士の国家免許を取得すれば作業療法士として働くことができます。
即ち、博士号の学位の取得は、特別なモチベーションがない限り必要ありません。
私が何故、博士号を取得するまでに至ったのか。
どのように考えて学位取得へ動いたのか。
学位を取得することで、何を得られたと感じているか。等
少しでも検討している方の一助になることを祈り、これまでの経緯とその理由を書いてみたいと思います。
専門学校から始まったリハビリ分野への道
高校3年の時、今後の分野の発展性を鑑みて、「工学分野とかいいよね~」と進学を勧められていました。
しかし、人に積極的にかかわる仕事に魅力を感じていたことや、友人の事故等がきっかけとなり、リハビリテーション分野へ興味を持ちはじめ、理学療法、作業療法について調べ始めました。
スポーツを長年続けていたので、理学療法士の方に診療をして頂く機会も経験しており、「リハビリ=理学療法」の先入観があったため、最初は理学療法に興味を持っていました。しかし、調べていく中で、「生活を治療媒体とする」という作業療法に魅力を感じ専攻することを決めました。この決断には、身体の心身状態は「生活スタイル」に依存するという考えを持っていたことが強く影響していました。
そして、受験を終えて地元愛知県の藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校へ進学し、刺激的な友人に恵まれるとともに、バイト、学園祭、実習等で充実した日々を過ごしました。
しかし、臨床実習を通じて「これでいいのか?」と言う気持ちが徐々に出てきました。
どう変われば良いだろうか?
その理由は、臨床実習で、担当させて頂いた患者さんから感謝の言葉を頂けたものの、単純に無力感をとても強く感じたからです。
「何もできてないじゃないか」と。
臨床に数か月だけしか出たことがないので、当然といえば、当然のことと言われるかもしれません。
しかし、数か月後に仕事になることを考えれば、流暢なことは言ってはいられませんでした。自分が担当しても、ベテランの療法士がリハビリをしても同じ費用が発生してしまうということを聞いていたからです。病院、施設も一つの「サービス業」を展開する会社であって、結果を出さなくてはいけません。
「過程が大事」ということを耳にすることがありますが、医療に関しては、翌日の介入で結果がでることが大事であって、どれだけ考えを巡らせたかは、サービスの受け手には全く関係ないことです。
本当に目の前の人をどうにかしたい、そのためにどう変われば良いだろうかと悩んでいきました。
突然やってきた”ブレイクスルー”
そんなことを考えながら生活している時に、卒業と同時に開校される藤田保健衛生大学のリハビリ学科に「脳を計測できる機械が入るらしい」ということが耳に飛び込んできました。
その時、すっと目の前の靄が取れる感じがしました。脳卒中の方を担当させて頂いた経験のある私にとって、”脳の損傷によって出てきた症状を、脳をみて介入できる可能性”が目の前に出てきたからです。
●脳の働きをリアルタイムで見れるのならば、より効率的な介入ができる。
●これまでの介入が本当に効果的なのか?を確認できる。
●しいては、新しい治療法ができるかもしれない。
こんな思考が頭に湧いてきたことをきっかけに、作業療法の免許は取得できるものの、そのまま就職したらこの思考過程に取り組むことがすぐには難しくなるだろうと考えて、私は大学へ編入することを決めました。
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