私自身、病院や介護施設等での勤務をさせて頂いている時にいつもスゴク違和感を感じていたことがありました。それは、医療職と介護職の連携が全然上手くいっていないこと。
様々な原因があると思われますが、大きな原因は2つあると実感しています。
1つ目はお互いの専門職のこと(専門職の専門性や強み)をさほど知らないこと。
2つ目はお互いの職種の価値観、そしてモチベーションが違い、心理的障壁が生じている。
ということです。
私自身が体験した過去の話しですが
ある回復期病院に勤務させて頂いている時に、退院前の患者さんの地域の担当ケアマネさんがリハ室に来られ、「病院でのリハビリの様子を情報収集して地域のサービス事業所に申し送りしたい…」と見学、ご挨拶に来られていました。
しかしその時の担当セラピストは、差し出された名刺を片手で受け取り「はいはい」と、煩わしい態度を見せておりました。
私はこの時、「えー!!ちゃんとケアマネさんと連携して情報共有しないと、地域に帰ったとき患者さんに迷惑かかっちゃうじゃないですかー!!」と、小心者なので口では言えず、心で思ったのを覚えております。
皆様もこのような経験はないでしょうか-。
目次
とにかくまず他職種を「知る」ことから始まる!
さて、いきなりではございますが
私の大好きなワンピース(漫画)の話しです。
魚人島でのエピソードで非常に印象深いシーンがあります。
この「リュウグウ王国」を地上へ移すのです!! 肌の色が違う・・・姿形が違う・・・・!!
そう言う人間たちが私たちが理解してくれる日を待つのではなく
こちから寄り添い!! 彼らを知るのです!!
-というシーン(魚人島編)があります。
共存‐共栄を図るためには、自らが能動的に相手を知り、寄り添っていくことが大事。
というオトヒメ王妃のシーンです。
医療-介護職の共通の目的は利用者さん(ご家族)の幸せやQOL向上だと思います。
その中で必ず必要なのは多(他)職種との信頼関係に基づいた連携です。
そして、連携で必要なことの第1段階はお互いがお互いをまず「知ること」だと思います。
理解してくれるのを待つ・・・
なんで私たちの専門性を知らないんだ・・・
という受け身や他責ではなく、まずお互いが積極的に寄り添い、他職種の専門性や価値観を知り、かつそれらの違いを認めることから始まることでしょう。
他職種を「知る」ための具体的な方法3つ
1.自治体、各地域(基幹病院)が運営する勉強会に積極的に参加する。
最近は各自治体でも地域包括ケアの推進のために、積極的に他職種が連携できるような勉強会、
交流会が多いです。私が住んでいる金沢でも
◯921在宅ネットワーク http://ishikawa921.net
◯金沢りくつなケアネット http://ekinishizaitaku.web.fc2.com
と地区ごとに在宅医療‐介護の連携団体があります。こういった団体の勉強会、交流会には積極的に参加し、「顔の見える連携」をすることが非常に大事です。
いつも電話やFAXでしかやり取りしていない相手でも、「顔を合わせて話す」ということほど質の高いコミュニケーションはないのです。
2.自分の専門職、専門分野でできること、できないことをブラッシュアップする。
各専門職には専門的な部分とそうでない部分があるかと思います。
地域でのチームアプローチでは、フォーマル、インフォーマルな様々な職種、サービスを用いて利用者様の支援を行います。
その中で自身、及び所属している事業所ができること、できないことをブラッシュアップしておくことで、できないことに関してはできる人、できる所にお願いする。
という関係性が生まれやすくなります。
いかに専門職間、事業所間でウィンウィンを構築できるか、ですね。
3.わからないこと、専門外のことは素直に質問、相談してみる。
特に介護職は医療職に萎縮してしまい、聞きたいことが聞けないといったことが生じることがあるようです。
しかし、介護職が怖い、聞きづらいという理由で利用者様のケアの質に影響が出たり、介護の方向性が共有できないようであればそれは介護職失格です。
そして逆に、医療職は質問してくれた介護職に対して無愛想に、偉そうに対応するのは医療職として失格です。共有や情報提供する義務があると思います。
正直、空気を読めないおかしなプライドを持つ医療職に私もお会いしたことが多々ありますが、利用者様のQOL向上という本来の共通の目的のために、お互いの人間的なプライドはどうでもいいのです。
専門職にとって最も大切なのは
他職種とも連携してより質の高い医療(介護)サービスを提供する!
というところにプライドがあることがプロフェッショナルな意識でしょう。
以上、利用者さまの幸せのために地域連携はもちろん大事なことなのですが、ただ連携するということではなく、謙虚な気持ちをもって他職種を「知る」ことから始めませんか。
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