世界の介護事情 in 南アフリカ

2016.3.18 在宅介護, キャリア
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総務省統計局によりますと、2013年に65歳以上の高齢者の割合は日本の人口の4人に1人となり、今後、高齢者の人口は、右肩あがりと言われています。その為、日本では、「介護」は、大きな社会問題とも言えます。

帰国子女の私が、語学をいかしながら、石川県在中の外国人の友人に「お国」の介護事情について取材し、不定期に投稿してみようと思います。

第一弾は、南アフリカです!

南アフリカと日本の人口の違い

最初に日本と南アフリカの年齢別人口の違いを調べてみました。すると、日本社会はいかに高齢化なのだとで実感することができました。

まずは日本の年齢別人口です。(2013年の統計)(参照:総務省統計局

年少人口(0~14)→12.9%

生産年齢人口(15~64)→62.1%

65歳以上人口→25.1%

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次に南アフリカの年齢別人口です。(2014年の統計)(参照:Trading economics)

年少人口(0~14)→29.8%

生産年齢人口(15~64)→52.8%

65歳以上人口→5%

生産年齢人口の割合は日本の方が高いのですが、私が驚いたのは65歳以上人口の年齢の割合の違いです。数字の通り、南アフリカの65歳以上人口の割合は、日本のほぼ5分の1なのです!!

年少人口の割合にいたっては、南アフリカは日本の倍以上ありますので、今後、南アフリカの生産年齢人口の割合が日本を抜く可能性もあると考えられます。

医療•介護問題

しかし、南アフリカにも大変な介護問題を抱えているようです。特に低所得の高齢者には大変な社会であると取材をして思いました。

収入の少ない人たちは、働いていた時の収入に応じて年金を貰えますが、受けられる医療は、貰える年金次第だそうです。

収入の全くない貧民の人は、政府が所有する医療機関に入らなければならないそうですが、医療の質はお世辞にも良いものとは言えないそうです。例え、病院に入っていても、心臓発作等、緊急ケアが要する場合があっても、医者も看護師も十分な人数がいない為に、亡くなってしまう人も多いのが現状だそうです。

アメリカのニューヨークタイムズによりますと、南アフリカの医療労働条件も良くないため、病院がストライキを起こして患者さんが全員病院から追い出されたというニュースもありました。(写真提供•参考:ニューヨークタイムズ

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介護における社会問題

南アフリカ政府の医療機関は、働いている人の税金からまかなわれていますが、人口が多いためにすべての人に質の良いサポートを提供できないとのことです。

さらに、介護士、理学療法士や作業療法士の人数もまったく不足しており、すべての高齢者に質の良い医療を提供することが難しいともおっしゃっていました。

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日本の医療について

今回取材を受けてくださった方は、診察が必要な時には、県内の大学病院に行かれています。そこの若いお医者さん達は、頑張って英語でやりとりをしてくださるので嬉しいと、とても喜んでおられました。

更に、日本では、外国人にも保険を適応、質の良い医療を南アフリカよりも安い金額で受けれるから助かるとも言われました。

確かに、私がオーストラリアに滞在していた時は、保険加入が義務だったのにもかかわらず、高額な治療費を払わなくてはいけない場面も多々あったことが記憶にあります。

片言でも海外の方とコミュニケーションをとり、質の良い医療を提供する大切さを実感しました。そして、医療先進国から、どのような形で発展途上国に日本の医療技術を提供するべきかを考える大切さを実感しました。  

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