こんにちは。コメディのイワシタです。
今日は、在宅医療-介護における「連携」について、経営学者であるPF・ドラッカーからの視点より考えたいと思います。
「考えるべきは、ミッションは何かである。ミッションの価値は、正しい行動をもたらすことにある」
(ドラッカー『非営利組織の経営』)
在宅医療-介護分野でのケアチームの共通の目的(ミッション)は
「ご利用者さまのQOLの向上にむけての支援を行う」ことだと思います。
そのミッションにむけての統一された支援を行うために
地域の医療-介護チームは各々が相互にラポール築き
良好な「人間関係」の構築
そして、連携をしていくことが重要であるのは言うまでもありません。
これは内部-外部問わず重要なことになります。
昨今では在宅医療、介護現場では
「顔の見える連携」
ということで、各地域で様々な交流会、勉強会が開かれており、積極的に連携を地域の医療-介護職は積極的に図っていると思います。
では、在宅医療-介護においての質の良い「連携」の在り方
及び「連携」においての大切なこと、ポイントとは何なのでしょうか。
(出典元:http://ameblo.jp/minna4970/entry-11475649559.html)
ポイント① 良い意味で遠慮しない。
よく退院前カンファレンスや担当者会議でドクターやケアマネが在宅医療-介護のサービスに関して
「こうしました!」
「こうしてください!」
と結論だけ言い、他職種からの十分な提案のヒアリングなく、サービス内容が決まってしまう場合があります。
これはドクターやケアマネのマネジメント力やコミュニケーション力の原因もありますが、そもそも様々な職種のスタッフ自体が
その指示、方針に対して「言われるがまま」ではなく
この利用者さんのニーズはどうなのか?
私たちはどうするのがベストなのか?
ということを真剣に考えたうえで
必要に応じて積極的に質問したり
時には反対の意見を伝えたり
サービス内容に対して、自ら提案する必要があります。
しかし、よくあるのが、、、
「言いたいことはあるけど、怖くて言えない」
「先生だから、、、遠慮して言えない」
と言われる方がいます。
しかし地域の医療介護職は「連携」は一つの大きな役割であり仕事です。
遠慮せずにスペシャリストとしての提案ができなければ「プロフェッショナル」とはいえないでしょう。
そこでコミュニケーションのコツを提案します。
人間関係を円滑に保ちながら大胆に切り込む方法(コミュニケーション)として
「すいませーん、例えばなんですが〜、、、」
→遠慮しつつ、その提案も良いけどこういう形もありますよ。と提案する。
「そうなんですね〜。ちょっと相談なのですが、、、」
→相手の提案を認めつつ、「相談」という当たり障りのない言い方で提案する。
「ざっくばらんにいいますと、、、○○だと、もっと○○様に良いと思います」
→ぶっちゃけ、それより、こうじゃね?! というのを丁寧な言い方にして提案しましょう。
ポイント② 地域医療-介護職はきちんと保険制度知識があること。
在宅医療、在宅介護の現場では介護保険サービス、医療保険、自立支援医療、障害福祉サービス、、、、等様々な制度、法律が絡み合うことになります。
その中で、対象者が高齢者だった場合。最低でも介護保険のしくみはケアマネだけでなく、他職種の担当者は知っておくべきです。
何故なら諸制度の知識があることで
看護師からのケアプランの視点。
PT、OTからのケアプアランの視点。
など、ケアプランを多面的な視点で評価できるからです。
例えば
以下のような思考のフレームワークが可能になります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・この利用者様の内服管理は○回だと不十分だ。もっと訪問看護サービスが必要だ。訪問介護が多く入っているが、週間スケジュールの訪問介護を訪問看護に切り替えて、頻回にした方が良い。限度額的にも大丈夫。どうかな?
・この方の生活状況だとベット、手すりなど様々な福使用具レンタルが必要そう。レンタルさえできれば、ADLの状況が少し良くなりそう。福使用具レンタルしたらどうかな。限度額的にも大丈夫そう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーこのような感じで、自らの所属しているサービスだけでななく介護保険の他サービスのしくみ、限度額などの知識があると提案力、連携力が向上するのは言うまでもないでしょう。
ポイント③ 支援目的・ミッションを知り、共有されている。
組織に働く者は、組織の使命が社会において重要であり、他のあらゆるものの基盤であるとの信念を持たねばならない。この信念がなければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、成果をあげる能力を失う
(引用:ドラッカー名著集『非営利組織の経営』)
「考えるべきは、ミッションは何かである。ミッションの価値は、正しい行動をもたらすことにある」
(引用:ドラッカー名著集『非営利組織の経営』)
「ミッションは、行動本位たるべきものである。さもなければ、単なる意図に終わる。ミッションとは、組織に働く者全員が、自らの貢献を知りうるようにするものでなければならない」
(引用:ドラッカー名著集『非営利組織の経営』)
ケアプランにはゴールが設定されています。
その在宅医療、介護チームでどれだけ明瞭に共有できるかが、連携の要諦となります。
もしゴールや、何をすべきか、というミッションが共有されていなかったら、、、
・それぞれのサービス事業所のアプローチがバラバラになる。
・焦点が合わず、会議が活性化しない。
・ご利用者様、ご家族様が望むニーズから外れる。
・成果が出ない。
など、当然のネガティブな結果が生じてしまいます。
さいごに
(出典元:http://www.management-facilitation.com/seminar/detail/48)
さいごに「連携」を構築する、人間関係についてのヒントです。
「人間関係に優れた才能をもつからといって、よい人間関係がもてるわけではない。
自らの仕事や人との関係において、貢献に焦点を合わせることにより、
初めてよい人間関係がもてるのである。
こうして、人間関係が生産的なものになる。
まさに生産的であることが、よい人間関係の唯一の定義である」
(ドラッカー『プロフェッショナルの条件』)
人間関係はすごく大事です。
しかし、良い人間関係が全てではなく、
本当に素晴らしい人間関係とはどのようなものか
ということを在宅医療、在宅チームのみならず組織では考える必要があります。
よく
価値観の違い
考え方の違い
職種の違い
によって様々な人間関係における「課題」「軋轢」が生じることがあります。
「このご利用者さまへはこう対応するべきだ!」
「この業務はこう改善するべきべきだ!それじゃダメだ」
このような意見で、相手に正々堂々言われる方は目的や目標に対してのモチベーション、積極性は大変強く素晴らしいと思います。(※陰口で言うのは✕)
しかし
意見のぶつかり合いに対して最も大切なことは
「目的は共有されているか」
「目的に焦点は合っているか」
そして「相手の考えている目的は何か」ということです。
「私たちのミッションは何か?」
「私たちの顧客は誰か?」
ということに焦点を当てることが必要あり、そこが論点です。
ミッションの共有がされていれば、様々なアプローチに対しての「意見」「方法」「手段」が違っても
「私たちのミッションにおいて、必要なことだよね。」
という視点で
相互の関係の中で「違い」を尊重し合い
改善できるようになります。
そしてその遂行事項と人間関係は更なる発展をします。
しかし、価値観、ミッションが共有されていなければ、分かり合えることは少なく、人間関係は「おざなり」になっていくものと思います。
「目的に焦点を合わせることにより、
初めて本質的なよい人間関係がもてる」
です。
是非、在宅医療、介護チームは
ミッション(目的)を共有し、
ざっくばらんな
「腹の見える連携」「本質的な良い人間関係」
が促進されれば、利用者様、患者様への質の高い支援チームとなりえるでしょう。
以上、イワシタでした。
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