石川県在住の外国人の友人に、「お国」の介護•福祉事情について取材しました。
今回は、東南アジアのベトナムです。
ベトナムの年齢別人口
まずは、ベトナムの年齢別人口調査です。
年少人口(0~14)→24.3%
生産年齢人口(15~64)→70%
65歳以上人口→5.7%
参照 index mundi Vietnam Age Structure
4人に1人は、65歳以上の高齢者と言われている超高齢化社会の日本とは、反対で、年少人口は、日本の倍、65歳以上人口は、日本の5分の1という結果でした。しかし、日本ほど急速ではありませんが、少しずつ高齢化社会が進んでいるそうです。
社会保障制度の現状
ベトナムでは家族やコミュニティでの在宅ケアが中心になっていますが、公的、民間によるサービスの提供はありません。取材を受けて下さったかたのお父様も、77歳と高齢ですが、元気に近所のお友達と一緒に体操したりして日々の生活を過ごしています。
施設で医療保護を行なっているNursing Room(老人ホーム)もあります。施設での生活は無料ですが、利用出来るのは80歳以上の希望者のみです。
VSS(Vietnam Social Security)による全国民を対象にした包括的な社会保障制度が実施されています。しかし、実態は公務員及び一定規模以上の企業被用者(強制加入)に限定されています。
老齢年金は、賦課方式で運用されており、原則として男性60歳以上、女性55歳以上で保険料拠出期間が20年を超える人が給付対象になっています。老齢福祉年金という無年金高齢者のための現金給付制度もありますが、地方によっては支給されていないケースもあります。よって、高齢者に対する社会保険制度や法律は存在するものの、実施面では不十分な点が非常に多いです。
参照:ベトナム基礎情報
その為多くの人が、農業を営んだり、バナナを売ったりして、生計を立てている人が大変多いです。彼らにとっては、そのお金だけで食べて行くだけで精一杯なので、病気になった時には、病院に行くお金もないので、道端で亡くなってしまう人も多いということを知って非常に驚いてしまいました。
写真:ベトナムニュース
意外な支援の場所
ベトナムは仏教の国なので、お寺でお坊さんたちが、お年寄りの介護をしている施設があります。場合によっては、亡くなるまでそこで、介護を受けて貰えることもできます。しかし、お金がなくても宗教の関係上、お坊さんに面倒を見てもらいたくないという人は、ホームレスとなって、道端で亡くなってしまう人も多いのが現状です。
写真:ベトナムニュース
日本の医療についてどう思いますか?
初めて日本の病院に来た時、日本人のみなさんは素晴らしい日本医療に支えられていて、とても恵まれているので羨ましいというのが感想でした。例えば、日本では当然のように入院患者1人につきベッドが一床与えられますが、ベトナムでは、ベッドの数も足りないので、ひとつのベッドに何人もの患者が横たわっていることが、日常茶飯事です。
お坊さんが高齢者のケアに携わったり、発展途上国が故に、経済的な理由で道端でなくなってしまう高齢者が多いなど日本では、まず耳にしたことのないような事情を聞く事ができました。日本の介護にも様々な問題点はあります。しかし、このように他の国の問題点を聞く機会を持ちますと、超高齢化社会の日本は、どのように他国のモデルケースになれるか一人一人が考える時代ではないでしょうか。
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