帰国子女のコメディライターとして、日本と海外の医療・介護のシステムの違い、そして海外の障がい者支援システムについて知る機会が多くなりました。
障がい者雇用問題を抱えているのは、日本だけではありません。
世界中どこの国でも抱えています。今回は、マレーシアの障がい者雇用の取り組みについて調べてきました。
スタバ初の取り組み
先日、とあるビデオを見つけました。(英語です)
これは、マレーシア・クアラルンプールの繁華街にあるBangsar Village IIショッピングモールに出来た世界初の聴覚障がい者向けのスターバックスのビデオです。
手話通訳者協会の協力によって実現した店舗で、13人の従業員のうち10人が聴覚障がい者です。
ここで働く従業員は、まず手話通訳者協会にて手話トレーニングを受け、接客法を取得してから働きます。
オーダーは、
手話やメニューカード等を使い
注文の品は、スクリーンに番号が点灯させ
すべての客は会計の際に渡された番号札と照らし合わせて商品を受け取る仕組みです。
よって、ここでは誰も大声を出す事はありません。
だから、世界一静かなスターバックスと言われています。
ビデオの中の店員さんたちは、とても素敵な笑顔で接客をされていますが、マレーシアでの聴覚障害者に対する雇用事情は深刻です。
マレーシアでは、7.58%の聴覚障害者の方しか就労するチャンスが与えられていない
というのが現状です。(参考:Job Opportunities for Special Needs Population in Malaysia)
その深刻な状況の中、障がい者の方の就労支援の為に作られた店舗です。このスターバックスのエプロンや看板には、手話がロゴデザインの中に施されています。
(参照:Starbucks Newsroom )
スターバックス・マレーシアのマネジャーであるSydney Quayさんは、
「障がいのある人たちに就労の場を作ることで、新しい視点を与え、よりよい会社にすることに誇りを持っています」と語っています。
ここで働いている従業員の方は、「最初にこのお仕事の話を聞いた時に、勇気を出して応募しました。」「本当に価値のある体験だと思います」と語っています。
さあ、覚えてみよう!簡単な手話
公式サイトでは、オーダーに使える簡単な英語の手話が動画で公開されています。この機会に幾つか覚えてみましょう!(参照:Starbucks Newsroom )
※日本語の手話とは、少し違います。
Starbucks
Coffee
Thank you
言葉に壁があっても、「ありがとう」と言われるだけで、誰でも嬉しい気持ちになれます。手話で感謝の気持ちを伝えるだけでも、お互いに嬉しい気持ちになれるかもしれません。
障がいがあっても働く喜び
(写真:livedoor NEWS)
ビデオにも出てきたMohammad Aizad Bin Affinさんは、先日念願のシフトマネジャーに昇格したばかりです。
彼の次の夢は、「スターバックス初の聴覚障害者ストアマネジャーになること」です。
Aizadさんは、スターバックスで働くことに大いなる喜びと誇りを感じ、「自分の経験を同じ聴覚障がいを持っている人たちにシェアしたい」と熱く語っています。
さいごに
聴覚障がいに限らず、障がいがあるということだけで、働く機会を逃してしまっている方が世界中に大勢います。
どんな障がいがあっても、Aizadさんのように笑顔で働いて、夢を諦めないということの大切さを多くの人たちに伝えたいです。
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