前回の記事(ターミナル期患者に対する訪問看護の視点とはー 訪問看護に求められる8つのこと その1 ー)ではターミナル期患者に対する訪問看護に求められている8つのことのうち1〜4をご紹介しました。
- 倫理観
- 終末期ケア
- QOLの向上
- 家族への支援
- 病状・病態の予測と予防
- 状態・状況に合わせた看護
- 地域医療
- 社会問題への対応
ターミナル期患者とご家族の双方のQOLの向上ー
その際には看護者の側に患者の自己決定を支援するような高い倫理観が求められていることをご理解頂けたかと思います。
今回は5から6までをご紹介します。
5、病状・病態の予測と予防
ターミナル期患者の治療に限らず訪問看護に求められていることとして、病状・病態の予測と予防があげられます。
看護師が療養者に接する機会が断続的であるため、前回と今回の訪問の間に変化が起きていないか確認したり、ひいては先を予測しなくてはいけません。
また急に症状が現れ、緊急に何が起こっているかを判断した上でそれを的確にかつ速やかに医師に伝える能力が求められています。
フィジカルアセスメントとは、患者が訴える症状や兆候をきっかけとして、それに看護師の五感から得た情報を加えて、患者の身体にどのようなことが起きているのかを判断していくプロセスのことを指します。
身体状況の把握から分析するフィジカルアセスメントに加え、社会や生活環境などの情報を交えて健康度を評価することをヘルスアセスメントといいます。
家庭・家庭環境・経済状況・介護者の状況・考え方・生き方・趣味など、ゴードンの11の機能的健康パターンを使うと情報を網羅しやすいと言われています。
図1:ゴードンの11の機能的健康パターン
出典:http://nurse.mynavi.jp/conts/kiroku/02/index.html
65歳以上の高齢の患者における廃用症候群などの病状経過の予測や予防、感染予防対策も求められています。
図2:廃用症候群一覧
出典:http://www.tyojyu.or.jp/hp/page000000100/hpg000000043.htm
6、状態・状況に合わせた看護
病状を4段階に分けると
急性期
回復期
慢性期
終末期
があり、それぞれ治療の内容や方針が異なるとされています。
終末期も、終末期前期(生命予後が数ヶ月と判断されてから、死亡8日目前まで)・終末期後期(生命予後が数週間から数日と判断された時期で、死亡前7日間を含む時期)・看取り期(生命予後が2〜3日と判断された時期で、死亡前3日間を含む時期)と分けることができます。
患者の痛みを和らげたり、看取る側である家族の支援などが求められています。
いかがでしたでしょうか。
次回は「ターミナル期患者に対する訪問看護の視点とはー 訪問看護に求められる8つのこと その3 ー」をお伝えします。
参考文献:
「現場で使える訪問看護便利帳」介護と医療研究会 株式会社翔泳社
「よくわかる在宅看護」 角田直枝 学研
「看護師になる2016」 朝日新聞出版
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