高齢者の増加がもたらしたものー医療・介護のあり方の変容

2016.10.6 訪問看護のこと, 在宅医療
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さやや

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超高齢社会と呼ばれる日本。

高齢者の増加によって、在宅医療・介護に注目が集まっています。
自宅(居宅)で医療・介護サービスを利用される方はますます増えていくでしょう。
なぜ高齢者の増加が在宅医療・介護に結びつくのでしょうか?

(医療費を含む)社会保障費が増える

2014年の日本の総人口は1億2,708万人。中でも65歳以上の高齢者人口は3,300万人です。26%(総人口の約4分の1)が65歳以上という計算になります。2025年には、段階の世代が75歳以上に達します。3人に1人が65歳以上で、5人に1人が75歳以上となると言われています。

 

 

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引用:統計局ホームページ

http://www.stat.go.jp/data/topics/topi901.htm

 

2025年には医療費を含む社会保障費が増大
75歳以降の後期高齢者の1人当たり年間医療費は約92万円で国民平均(約30万円)の約3倍です。
社会保障費は現在の約120兆円から総額150兆円に増えると考えられています。

そこで、入院医療費の適正化を図ることで、
医療費(社会保障費)をおさえようというのです。

 

平均在院日数

治療継続の必要性から医療機関に長期入院する場合をのぞき、大半の患者は入院の後、もとの生活、つまり在宅に戻っていきます。

 

人々の入院日数を減らす狙いで、長期入院の診療報酬の引き下げが行われています。

現在、人々の入院期間は著しく短縮され、全病院の平均在院日数は約30日前後となっています。

 

 

急性期:症状が急激に現れる時期。病気のなり始めの時期。
回復期:患者の容態が危機状態(急性期)から脱し、身体機能の回復を図る時期のこと。
慢性期:病状は比較的安定しているが、治癒が困難な状態が続いている時期。
終末期:病気が治る可能性がなく、数週間から半年程度で死を迎えるだろうと予想される時期。

それぞれの病状によって求められる看護の内容は違います。

 

最近では、急性期を過ぎてなお入院を続けることのデメリットが語られるようになってきています。

急性期を過ぎてなお入院を続けることによって、
ADL(日常生活動作)が低下したり、
認知機能が低下したりするというのです。

 

急性期医療を主体とする医療機関では平均在院日数が14日以内の施設も少なくありません。

さらに2015年には政府は2025年時点の病院ベッド(病床)数を115万から119万床と現在よりも16万から20万床減らす目標を示しました。
手厚い医療を必要としていない30から34万人を自宅や介護施設での治療に切り替える方針です。

 

訪問看護増進のきっかけとなった同時改定

医科向けの「診療報酬」は2年に1回の改定、介護向けの「介護報酬」は3年に1回の改定で、「同時改定」が6年に1回あります。

直近では、昨年2015年4月に「介護報酬」の改定、今年2016年4月には「診療報酬」の改定があり、平成30年(2018年)には「医療と介護」の同時改定があります。さらに2024年の同時改定では2025年の団塊の世代が後期高齢者に全て入ることに備えた“最後の同時改定”となると言われています。

 

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平成24年(2012年)の同時改定は、医療と介護の連携を進める観点から、退院後の訪問看護の評価を引き上げたほか、専門性の高い訪問看護を評価しています。

訪問看護が増進するきっかけとなりました。

 

生活支援型医療

慣れ親しんだ家の日常の中で、生活支援型医療が求められています。

在宅での生活支援型医療で果たされるのは、病院では果たしきれないQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上です。

 

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***

いかがでしたか?

医療・介護のあり方が変わりつつあることをご理解頂けたでしょうか。
高齢化が進む日本で、当事者として、家族として、
医療・介護の変容に対応していきたいですね!

 

参考文献

「現場で使える訪問看護便利帖」 介護と医療研究会 株式会社翔泳社

参考URL

https://cocomedica.jp/blog/article/170

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