【完全に主観!】いち当事者による理想の訪問看護シリーズ 第1回 衛生管理への配慮

2016.11.9 訪問看護のこと, 在宅医療
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さやや

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当事者であるさややが、自分が将来受けたい訪問看護について語ります。

 

第1回は衛生管理について。

私が年老いたとき、内心一番恐れているのが実は衛生管理であったりします。

でもそれは、さややだけではないはずです。

家族の負担も大きい衛生管理。

どうしたら、衛生管理を通して、患者さんのQOLを実現することができるでしょうか。

 

 

******

 

 

私は医療職ではないのですが、人から伝え聞く話から推察するに

在宅医療を受けられている患者さんの中には、衛生面で不満を抱えている方がたくさんおいでるのではないでしょうか。

衛生面で不満を抱えているというよりかは、むしろ、衛生面を自分で管理できないことに不満を抱えている方が多いのかもしれませんね。

 

自由に動くことができずお風呂に入れない患者さんもきっとおいでるでしょうし、おむつをされている患者さんもおいでます。

 

ある患者さんは、いろいろとお世話をしてもらうことを「恥ずかしいわー」とおっしゃるかもしれないし、また別の患者さんは、「すっきりした!気持ちがいい!」と素直におっしゃるかもしれません。

 

「家族にこんなお世話をさせて申し訳ないわー」と思ってる患者さんもおいでるかもしれないですし、「家族じゃないと嫌!なんで看護師なんかに衛生面のお世話を受けなきゃいけないの!」と思ってる方もおいでるかもしれません。

 

また、家族の方も、衛生管理を自分でできなくなった家族を見るのはつらいでしょうし、衛生面でのお世話をするときも、他人の身体を触ることに慣れていなくて、負担に感じることも多いでしょう。

 

今回は訪問看護の基本手技とも呼ばれる「清潔への援助」について考えてみたいと思います。

私自身も、こうしてもらったらうれしい!

という話を中心に進めていきたいと思います。

 

 

ポイント1 家庭にある物品を使う!負担が減り、いっきに患者さんとご家族のQOLが向上

 

(例)蒸しタオルを電子レンジで作る

(例)簡易洗髪器を作る

材料:バスタオル、ひも、大きいビニール袋、Yバサミ、バケツ

 

経済的にゆとりのあるお家では心配することなどありませんが、高齢者だけの世帯もきっとありますよね。新しい特別な器材を買ったり、お金を払って特別な人的支援サービスを受けたりするとなったら、ご家族が患者さんの衛生面のお世話をするのは大変だと思います。患者さんの衛生面のお世話がうまくいかなくなったら、きっと患者さんのQOLの向上は図れないでしょう。

医療職としては、臨機応変に家庭にあるものを使って器材を用意することは大変なのかもしれませんが、時間のあるときにご家族も含めて皆で知恵を出し合うことによって信頼も深まるのではないかと感じています。

 

 

ポイント2 家族だけで衛生管理ができるように指導する

 

家族が日常的に衛生面のお世話をできるように準備する

訪問看護の医療職の皆様には衛生管理の器材、道具をしっかり用意してもらって、手順もご家族と何度も確認して頂けたらと思います。

器材も道具も、手順も、みーんな完璧に用意してもらったら、あとはご家族と患者さん本人の気持ち次第で患者さんの衛生面の管理はきっとできるのではないかと思います。

 

家族に嫌がられると患者さんはつらい

ただ、そこで問題となるのは、ご家族と患者さんの気持ちや感情です。

家族の方の気持ちを推察すると、患者さんに対して愛情があっても、正直いって衛生面での管理が自分でできなくなった家族(=患者さん)を見るのはつらいですし、他人の身体に触れたりする経験が少なくて、患者さんの衛生面でのお世話をするのは抵抗があったりすると思うのです。

しかし、患者さんはきっとそのことに胸を痛めています。

患者さんとそのご家族。双方が、自分本位になりすぎない歩み寄りができるといいですよね。

その支援も、きっと訪問看護の医療職は求められているのだと思います。

 

ポイント3 患者さんとコミュニケーションを図る

当事者の私(さやや)がもし自由に動くことができなくなって、自分の衛生面での管理を人にゆだねることになったら、最初は恥ずかしくて怖いと思うのです。

それは、たとえ家族に対してもです。

ちょっとずつ心の中で安心感が蓄積されていかないと、患者さんは「満足!」とはならないし、つまり安心感をもたらさない「恐怖」でしかない衛生管理は、QOLという観点においても、良い状態とは言えないのです。

お世話してくれる人への信頼は一朝一夕には作れません。

でもお世話してくれる人への信頼があったら、きっとQOL向上は実現します。

 

 

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衛生管理は、訪問看護の世界では基本中の基本なのかもしれません。

しかしご家族の中には、抵抗を感じている方もきっとおいでて

支援を待っている方もおいでるかもしれません。

その支援というのは

ひょっとしたら、衛生管理を一切全部引き受けてあげることなのかもしれないですし

そうではなくて、やり方を共有しながら、家族みんなで衛生面でのお世話をすることかもしれません。

QOLの実現の方法は、必ずしも1通りとは限りません。

その家庭にあった提案ができるといいですね。

でも、患者さんご家族の方との信頼関係がQOL向上の一番の土台ではないかと私は思います。

 

 

参考文献

「写真でわかる訪問看護」 監修・押川眞喜子 インターメディカ

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