「幻覚」の症状を客観的に見分ける方法とは?

2017.2.5 在宅医療
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さやや

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統合失調症の代表的な症状のひとつに「幻覚」があります。

さやや自身も「幻覚」の症状を抱えていました。

(今でもしばしば幻聴に悩まされています。)

 

自分が「幻覚に悩まされている」と気づいている患者さんは病識があると言えるのですが

自分が「幻覚に悩まされている」と気づいていない患者さんもおいでて

そんな方たちは、幻覚に心を奪われ、支配されています。

 

客観的なものの見方を失っているのです。

 

今回は、病識に欠けていて幻覚に心を支配されている患者さんの見分け方について書こうと思います。

 

「幻覚」のある患者さんによく見られる行動

ぶつぶつと独り言を言う

さややもかつて、ぶつぶつとり言をつぶやきながら仕事をしたものです。時々、叫んだりもしました。いわゆる独語(どくご)と言います。

 

実は、独り言をつぶやく本人は、独り言だとは思っていません。

 

むしろ、会話しているのです。

さややは「どこからともなく聞こえてくる話し声」に言い返していたのです。

しかし周囲は不気味に感じていたようで、失笑を浴びたこともありました。

 

 

自分の行動にいちいち自分で「コメント(解釈)」を加える

さややも経験があります。

これは、監視カメラを通していちいち自分の行動に突っ込みを入れたりやちゃかす声が聞こえるので、それに対する対抗策なのです。

さややは、あまりにも自分の行動を監視され、ちゃかされることが多いので

(※「幻覚」「妄想」です。)

 

自分の行動に自信がなくなって、自分の行動にはこういう意味合いがあるんだということを誰も尋ねてないのに「どこかにある監視カメラ」に向かって説明をしていたでのす。

 

 

おかしなことがないのににやにや笑う

幻覚や思考障害があり、しかも集中力を欠いていると、心が「今この瞬間」に集中できなくなります。

職場の大事な朝礼の場でさややは笑い出したことがありました。空笑(くうしょう)です。

その時何を考えていたかは思い出せないけれど

さややの心は別世界にいたのだと思います。

 

 

意味不明なことを言う

統合失調症の患者さんの心は、この世のものとは思えない摩訶不思議な事件・出来事に支配されています。

(「幻覚」「妄想」がそうです。この世のものとは思えない摩訶不思議な出来事ですよね。)

それに対して、必死で合理化をして自分を納得させようとする患者さんも多いはずです。

 

本人はうまく合理化して人に説明できたつもりでも

はたから見たら、「意味不明」で「支離滅裂」なことがほとんどなのです。

 

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精神医学的にいうと

 

⚪️連合弛緩・・・観念の意味ある結びつきを欠き、話のまとまりがなくなる。

⚪️滅裂思考 … 考えがあちこちに飛び、いっていることが支離滅裂に。

 

という状態になってしまいます。

 

***********

 

いかがでしたでしょうか。

「幻覚」に悩まされている当事者は

病識がない方も多くて

理解しがたい言動で人を驚かすでしょう。

しかも、さややもそうでしたが

仕事を失ったり、家族に知られることを恐れて、頑固に「自分は病気ではない」と主張することも多いでしょう。

 

しかし上記した症状の方がおいでたら

「統合失調症の症状なのかな?」「症状なんだよね?」と思っていただきたいです。

 

そして、その方の言い分のことで論理の矛盾を指摘してちゃかしたりからかったりするのではなく

 

また「病気だ」「幻覚だ」「幻聴だ」とわからせるだけでなく、

優しく「大丈夫?」と聞いてあげてください。

 

また訪問看護等、在宅で関わっている医療職や介護職はこれらの様子が観察された時は、

主治医への報告や他専門職への相談を忘れずに行うことが必要だと思います。

また、服薬が徹底できているかも確認が必要です。

 

医療職であっても、家族であっても、あかの他人であっても

きっと患者さんは喜ぶと思います。

 

 

参考文献

「患者のための最新医学 統合失調症 正しい理解とケア」

監修・白石弘巳(高橋書店)

 

 

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