地域包括ケアシステムを考える上で必要な支援は何でしょうか?
前回の記事では、「5つの構成要素」から地域包括ケアシステムを見ていきました。
今回は「自助・互助・共助・公助」の4つの支援から地域包括ケアシステムを考えていきたいと思います。
2025年「自助・互助・共助・公助」の定義
▶︎自助:自ら働いて、又は自らの年金収入等により、自らの生活を支え、自らの健康は自ら 維持すること
▶︎互助:インフォーマルな相互扶助。例えば、近隣の助け合いやボランティア等
▶︎共助:社会保険のような制度化された相互扶助
▶︎公助:自助・互助・共助では対応できない困窮等の状況に対し、所得や生活水準・家庭状 況等の受給要件を定めた上で必要な生活保障を行う社会福祉等
地域包括ケア研究会 報告書〜今後の検討のための論点整理〜より引用
自助・互助の重要性
「共助・公助」を求める声は小さくありませんが、少子高齢化や財政状況を考慮すれば、大幅な拡充を期待することは難しくなります。
そのため「自助・互助」の役割を意識する必要があり、「自助」を基本しつつ、多様な自治体と共同しながら地域全体を支え合う「互助」の体制を作っていく事が重要です。
また「自助・互助」は時代とともにその範囲や役割を変化させており、より一層地域性を求められるようになっています。
戦後の日本社会では、伝統的な「家文化」に支えられた家族のイメージが前提とされ、介護の問題は、「家族の中の介護」というケースが多くなっていました。
一方、2025 年までは郊外型の団地などを典型として、高齢者のひとり暮らしや高齢者のみの世帯が一層増加してくるため、「自助」「互助」の役割が大きくなっていくことが考えられます。
都市部では住民間のつながりが希薄なため、強い「互助」を維持することは難しくなります。
一方で、民間サービス市場が大きいため、「自助」によるサービス購入が可能な部分も多く、より多様なニーズに対応できます。
都市部以外の地域では民間市場が限定的であるものの、その反面住民間の結びつきが強いため、「互助」の果たしている役割が大きくなります。
”各地域の実情に合わせる”自助・互助を!
以上のように、「自助」「互助」「共助」「公助」は互いに相互関係をもっていますが、これからは「自助」「互助」 の果たす役割が大きくなっていきます。
これから地域包括ケアシステムに介入していくにあたって、各地域の実情に合わせた「自助」「互助」の役割を理解する必要があるのではないでしょうか。
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