おばあちゃんを老人ホームに入れることになった

2015.12.22 在宅介護
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おばあちゃんが倒れた。

 

ある日、連絡が無いことを心配したお母さんが見に行ってみると、おばあちゃんが和室の床に倒れていた。

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灯油缶を持ち上げた拍子に腰の骨が折れ、動けなくなったという。数日間、動くこともできず、倒れたまま。幸運だったのは、手の届くところにバナナがあったこと。これを食べて数日間生き延びられたようだ。

ひとまず、お母さんの家の近くの病院に入院することになった

もしまたこんなことがあったら・・・と心配したお母さんは、おばあちゃんを介護施設に入れたいと言い出した。

 

おばあちゃんは、おじいちゃんが亡くなって長年一人暮らし。でも、老人ホームには入りたくない、ずっと家にいたいと言っていた。

お母さんが心配なのはわかるけど、老人ホームに入れるのは反対だった。

おばあちゃんの意思を一番に尊重してあげたいのもあるけど、老人ホームに入るとボケるのでは?というのが一番の理由だった。在宅医療も発展しているし、なんとかなるのではないかと。

老人介護の仕事をしている友達から聞いて、「ケアマネ」という、客観的にどの施設に入ったら良いかをアドバイスしてくれる人がいることを知った。ケアを必要とする人の相談に乗り、最適なケアが受けられるように総合的なコーディネートやマネジメントをする人ならば、おばあちゃんに一番良い施設に選んでくれるはずだ。

早速お母さんに、「ケアマネがいるそうだから、市や県のケアマネに相談してアドバイスしてもらったら?」と言った。

 

老人ホームと一言で言っても、老人ホーム・介護施設には、主に民間事業者が運営する「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者向け住宅」、社会福祉法人や 民間事業者などが運営する「地域密着型施設」や「軽費老人ホーム」、医療法人・社会福祉法人などが運営する「介護保険施設」など様々。これだけあると、素人では何を基準に選んでいいか分からない。もうハッキリ言って無理。

数日後、母は病院から紹介された施設のケアマネに相談して、特別養護老人ホームに入れることに決めた。

それから1年以上が経ち

毎日嫌だ嫌だと言っていた老人ホーム暮らしにも慣れたおばあちゃん。声を掛けても聞いているか聞いていないかわからない。住所も言えなくなってしまった。要介護2。認知症が進んでいる。

お母さんは近くにいてくれて安心でき、面倒も見てもらえるし前より良かったそうだ。

 

しかし私個人としては、本当に老人ホームに入れたことが良かったのか?未だに疑問は残っている。

一人暮らしをすることで、自分の身の回りのことをするから認知症はここまで進まなかったのではないか?在宅を選べなかったのか?他のケアマネに相談できなかったのか?

今さら考えても遅いのは分かっているし、もしまた同じことになったら・・・ではあるけれども。

もうちょっと便利にならないかな

人口の4人に1人が高齢者となった日本。そのせいか、老人ホームの名前、介護職の名前、行政の仕組みが多くなり、分かりにくくなっている。複雑すぎて「もういいや、分からないから任せてしまおう」となってしまう。実際、うちがそうだ。

しかし、できることなら、施設に依存せず平等に相談できるケアマネに相談してみたかった。結果は変わらなかったのかもしれないが、そんなケアマネがいる場所、仕組みが必要だと感じた。ネットで検索してすぐ出てくるぐらいにはしてほしい。

サービスを受ける高齢者本人だけでなく、その周りの人にとっても使いやすい、便利な世の中になってほしいと願います。

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