持続可能な社会や、まちづくりの実現をめざす上で何が重要だと思いますか?
様々な要素が重要になるのは言うまでもありませんが、
例えば、その一つとして就労やボランティアといった有償・無償の社会貢献の担い手が必要となります。
高齢期における健康度の推移は加齢に伴うライフコース(*1)と言えます。
(*1)個人が一生の間にたどる道筋のこと。具体的な人生の道程、キャリア経歴のようなもの。(コトバンクより引用)
そこで今回は、ライフコースに応じた社会参加活動の枠組みを体系的に示していきます。
この枠組みでは、求められる生活機能により高次から低次へと階層構造をなしています。
では、さっそく例をあげてみていきます。
ライフコースに応じた社会参加活動とは
この表に照らし合わせながら説明をします。
例えば、金銭的報酬による責任が伴う就労を第一ステージ【(1)就労】とすると、
就労が困難になった高齢者の主な社会参加のステージは、次の無償での社会貢献であるボランティア【(2)ボランティア活動】へと移行する事が考えられます。
他者への直接的な貢献に負担を感じるようになると、自己啓発(趣味・ 生涯学習)【(3)自己啓発・生涯活動(趣味)】活動へと移行します。
趣味・稽古ごとといった自己啓発活動は原則として団体・ グループ活動であります。
次いで生活機能が低下すると、これらの制約に縛られない友人・知人などとの私的な交流や近所づきあい【(4)友人・近所づきあい】へと移行します。
更に要支援・要介護状態に進むと、受動的な社会参加も可能である通所サービスや地域のサロンの利用【(5)通所サービス】へと一般的には移行します。
地域包括ケアシステム成功へのヒント
こうした移行のプロセスは、社会的責任とそれに伴う活動継続における難易度という視点からも妥当であると考えられます。
しかし、要介護1、後期高齢、独居、男性という四つのリスクを持つ高齢者が次世代に貢献する背景には、
ボランティア仲間はじめ、保健師、ボランティアコーディネーター、保育園の職員といった周囲の人々の、無理のないシームレスな支援の存在が必要です。
本来、社会参加とは長い人生の中で徐々に対象や形態を変えながらシームレスに継続されていくべきものです。
高齢者が「やってみたい」ことをサポートするネットワークの「しくみ」と「しかけ」、それこそが地域包括ケアシステムの成功に向けたヒントとなりうるでしょう。
(photo by Fotolia)
おわりに
各地で行われている活動や企画に私たちセラピストも目を向け、地域住民の一員として、こういった場に出向いていくことも、地域活動が広がっったり、地域課題が見えるきっかけとなるかもしれませんね。
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