無縁社会の解決へ導く「ソーシャルサポートネットワーク」

2017.10.17 在宅医療・介護用語, 在宅介護
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少子高齢化に伴い、独居高齢者が増え、「社会的孤立」状態にある方が増加しています。

 

この「社会的孤立」とは『生活問題が生じても社会的な支援(ソーシャルサポート)が得られなくなり、自助努力で解決できない状態』といわれています。

 

したがって、社会的孤立を支援するために、いかにソーシャルサポートネットワークを構築するかという問題解決が重要になります。

 

そんな「ソーシャルサポートネットワーク」とは何なのか、少し深堀りしていきます。

 

ソーシャルサポートネットワークって?

 

まず、「ソーシャルサポート」とは社会的関係の中でやりとりされる支援を意味しています。

 

介護の側面では、介護保険などの制度の中で提供される公的なサービス(フォーマルサービス)と、

 

家族や友人・ボランティアなどの制度に基づかない非公的な支援(インフォーマルサービス)の両面からの支援が含まれます。

 

近年の社会保障費の増大により、フォーマルサービスのさらなる充実は困難と考えられています。

 

そのため、より一層インフォーマルサービスによるサポートが重要となることが予測されます。

 

しかし、昨今の地域コミュニティの特性として、4人に1人は隣人の顔を知らない無縁社会となってきており、住民同士の互助のみに期待するのは、非現実的と言えます。

(photo by Fotolia)

ソーシャルサポート4つの分類

そのためまず必要なことは、どのようなサポートがどれくらい必要かを明確にし、支援を必要とする人たちに対して、過不足なく、かつ効率よくサポートを提供していくことです。

 

その1つの例として挙げられるのがJS.Houseによるソーシャルサポートの4つの分類です。

 

Houseは抽象的なソーシャルサポートを以下の4つに分類しています。

①手段的サポート:介護を代わりに行う、相談に乗る、必要な資源を提供する
②情報的サポート:専門職や家族会の具体的な助言、各種メディアからの情報
③評価的サポート:相手の行動や意見を肯定する、第3者からの適切な評価
④情緒的サポート:喜びや悲しみを共感する、安心を与える

 

 

(photo by Fotolia)

おわりに

一見すると聞きなれないソーシャルサポートという用語も「4つの分類」の視点から整理することで、誰が、何を、どのようにサポートするかが明確になってきます。

 

今後は、医療・介護の専門職一人一人が生活評価を行い、地域ケア会議などを通して、インフォーマルサービスの充実化や移行を図っていく役割を担うことも求められてくるかもしれません。

参考文献

・田中悠美子.家族介護のストレスとソーシャルサポート,地域リハビリテーション,2016,10,11
・後藤広史.大都市ひとりぐらし高齢者のソーシャルサポートネットワークの状況 -墨田区ひとりぐらし高齢者実態調査結果からⅡ-オウチーノ総研.2015,7

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