現役ケアマネが語る、ケアマネってとても○○な仕事なんです!!

2017.11.30 キャリア
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こんにちは。

まずはじめに私の自己紹介を簡単にしたいと思います。

 

私は今、ケアマネージャーとして勤務しています。

もともとの職種は看護師でしたが、妊娠を機に一旦看護師の仕事をリセットし、育児に奮闘していました。その時期、知人より介護保険に関わる仕事の依頼を受けました。介護保険の認定調査がメインでしたが、相談窓口や電話対応も多く、無知なままでは対応しきれないと言う思いにかられケアマネージャーの資格試験を受ける事にしました。

目標がなければ知識の習得は難しいと考え、試験を受けるという手段を持つ事で学習する事が継続できたように思います。ですので、必ずしもケアマネージャーになりたかった訳ではありません。そんなこんなで、今年は資格を取って10年目を迎えます。いまだに、ケアマネージャーとは何をしてどんな役割が必要なのかと日々、模索しています。

こんな私ですが、今回はケアマネージャーのリアル部分を包み隠さず伝えたいと思います。

 

さて、みなさんはケアマネージャーについてどこまでご存知でしょうか?

 

ケアマネージャーはどんな仕事?

ケアマネジャーは、主に介護保険を必要とするご利用者様とその御家族様に深く関わる事から始まります。

尊厳ある生活を支援するため介護保険制度に基づき、介護サービスが必要なご利用者様のご自宅へ訪問し、課題や目標を一緒に考えてケアプランを作成したり、介護サービス利用の調整・管理・申請を行ったりする仕事を担っています。3年毎の介護保険法の改正によってサービスの内容(報酬)が変われば、その都度御利用者様に説明し、それに伴う書類の変更や煩雑な業務も必要となります。又緊急入院、退院の際にもキーパーソンが居ない方であれば自ら出向いて早急に対応しなければなりません。介護保険に関する専門的な知識だけでなく、フットワークの軽さやニーズをしっかりと聞き出すコミュニケーション能力、医療機関との調整能力、マネジメント能力など様々な能力が求められる仕事だと思います。

 

リアルなケアマネージャー事情

独居高齢者、老老介護、精神疾患や社会不適応な方、認知症や、虐待、経済的事情など個人や制度だけでは解決し難い背景を抱えるご家庭も少なくありません。住み慣れた地域で自立した生活を望まれる方へは、こちらが間接的でありながらも主体的に問題と向き合い、地域の方々へご利用者様の代弁者として、地域のインフォーマルなサービスや高齢者福祉事業等幅広い情報を収集し上手く提供することも必要になっています。

そもそも、ケアマネジャーが解決すべき生活上の課題は、「加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等」によるものだったはずですが、実際はご利用者様のパーソナリティや生活歴に起因する生活課題に対応せざるを得ない場面が多いように思います。

特に「お金がない」といった金銭的な問題を抱えているケースが多く必要な在宅サービスを居宅サービス計画に盛り込めないばかりか、日々の金銭管理や金銭トラブルの対応が主となってしまう場合もあります。

また、家族間の折り合いが悪いことでケアマネジャーが仲介役としての役割を求められたり、家族が担うべき役割をすべて代行せざるを得ないこともあるのです。本来であればとことんご利用者様目線に立って問題を解決できればベストですが、ケアマネジャーだけでは対応しきれない状況も多々あるのです。

そういう場面ではご利用者様が住む管轄の地域包括支援センターや民生委員、市役所弁護士等へ情報を提供し、地域ケア会議を開催し早急な対応に取り組んでいます。

困難事例で奔走している時に、色んな方が同時期に急を要すると言う事もよくあります。

優先順位を決めて動いていても上手く回らない時は、サービス事業者で対応して頂ける方に支援を求めるようにしています。1人で抱え込んで悩んでいる時に同じご利用者様の支援者として関わっている方だからこそ、良き理解者になってもらえます。

その為には、日頃からよりよい人間関係を保ちお互いが信頼できる関係でいなくてはいけないと感じています。

 

ケアマネージャー日々の悩み・葛藤あるある

  • 困難ケースの対応に時間が取られる
  • 家族がすべき行為を代行せざるを得ないことがある
  • 制度が変わり対応に時間と労力がかかることがある
  • ご利用者様本位のサービスが貫けない(自己決定ができない方がいる)
  • 記録書式が多く手間がかかる
  • 相談と称した話し相手を要求される
  • 通院への同行や介護保険以外の手続きに奔走することがある
  • 雑用を何でも押し付けられ、何でも屋になっている事がある
  • 在宅サービスでは補いきれない生活上の相談援助がある
  • ご利用者様の生活にどこまで関わるべきなのかがわからなくなる

もちろんすべてをカバーできるわけではないので自分にできること、できないことを素早く判断して、色んな方につないでいく事も必要だと実感しています。

ケアマネージャーの仕事にこれという正解はありません。
もちろんやりがいや、面白さの中にも「人の命を扱う」というプレッシャーも存在し、なかなか思うようにいかない仕事であることも事実です。その苦労を乗り越えた先には、必ずやりがいを感じられる仕事だと思っているのでそれを見極めるまで諦めずに努力し続けることが必要だと思います。

 

ケアマネージャーという仕事の魅力

ご利用者様に笑顔で感謝されたり、家族介護の問題を少しづつでも改善できていると実感する時はやっていてよかったと思います。最初は、心を開いてくれなかったご利用者様が、日々接していくうちに「あんたが言うんだったらいいよ」と、笑顔で言ってくれたときは嬉しかったです。人生の経験豊富なご利用者様の方々から人生観を変えられるような話を聞かせてもらうなど様々な勉強をさせていただいています。

「自分はなんて小さなことで悩んでいるんだ」なんて思うこともしょっちゅうです。

自分の存在が、言葉が、助けを求めている人に影響を与え、より良い方向に向かっていく……というひとつの達成感も魅力の一つだと思います。

仕事の中での良い出会いもこの仕事の大切にしていきたい要素となります。

 

必然的にケアマネジャーは多くの専門家や地域の方と出会い、つながるので、非常に広い人脈ができます。また、その人脈との連携で得られる経験は年々蓄積され、自分のかけがえのない知識としてその先にある将来に良い影響を与えてくれます。一つの専門性を追求するのも魅力的ですが、ケアマネジメントに特化した専門性を発揮しながら多種多様な知識と人脈が築けるのはケアマネジャーの魅力の一つだと思います。

 

介護保険サービスや医療サービスは日々変わっています。

ケアマネジャーはすべてのサービスと連携する可能性がありますので、必ず最新の情報を得ていなければなりません。また、制度の改正や技術の進歩がどういう意味を持つのか考え、分析してケアプランに活かさなければ最適なマネジメントを行うのは非常に難しいです。そのためには常に最新の情報を入手し、専門性を高める努力も不可欠です。「確認」を怠らず常にアンテナを立てて、知りえた情報を提供し御利用者様へのアドバイスがきちんと出来る事だと思います。

 

ケアマネージャーに必要なもの

ケアマネージャーは、ソーシャルワーカー(社会福祉士)とよく似ていると思われがちですが実際のところはまったく違います。ソーシャルワーカーは相談業務が主ですが、ケアマネージャーはご利用者様と密接に関わり、介護サービスを受けるまでの手続きから、サービス利用後も継続して関わりを持ち続ち続けるからです。

 

一番大変なとき、苦しいときに出会い、共に未来をつくっていく為には毎日数多くの仕事を進めていかなければならないので、仕事に優先順位をつけ、複数の業務を同時にこなしながら働くことができるセルフマネージメント力も重要です。家族の人間関係に深く入り込みすぎず、心理的な距離感にも気をつけておかないと、ケアマネジャー自身が心身ともに疲れてしまうというころがあります。

また、ケアマネージャーだけでなく他の仕事でもいえることですが、ちょっとした約束であっても、必ず守ることがとても大切です。信頼関係は日々の細かな対応で決まってくるのです。

 

最後に・・・

この仕事は介護サービス事業者の方や訪問看護師、その地域でご利用者様に関わっている多くの人たちと一緒にご利用者様を支えて行くことができ、日々の大変なこともちょっとしたうれしい変化も共有できるとてもやりがいを感じる仕事だと思います!

そういいながらも日々、迷走中の私ですが、

自分の強みを納得いくまで出し切って全力疾走しようと思う今日この頃です。

 

この記事を読んで、医療介護に携わる方々が多職種の中でスムーズに連携していくためのヒントを一つでも見つけることができたら幸いです。

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