作業療法士って何をする人?
作業療法という職種を知ったときに誰しもが抱く疑問だろうと思います。
例外なく、私も抱いた疑問です。
理学療法士及び作業療法士法では、
作業療法は、「身体又は精神の障害に対し、応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作、その他の作業を行わせること」とされています。
即ち、作業療法士は、作業療法を治療法として用いる療法士ということになります。
これを知っても、行政用語ですから、分かる人は少ないのではないでしょうか。
一つの捉え方ではありますが、作業療法士の言葉の由来からの捉えた説明は、行政用語よりは作業療法士を深く理解して頂けるかもしれません。
私自身は、”はっ”とした捉え方でもありましたし、作業療法士の1つの捉え方として参考になればと思い、私なりに噛み砕いて紹介して見たいと思います。
「占める」ことをする療法士
作業療法士は、Occupational therapist /オキュペイショナル・セラピストの略です。
Occupationとは、「作業」と訳されていますが、
to be able to occupy a place. (場所を占めることができる)というように
「占有・占領・占める」という意味もあります。
つまり、「占める」ことをする療法士です。
対象とする人が、ケガや疾病や事故によるアクシデントによって生じた、人生のぽっかり空いてしまった穴を埋めて、マイナスの要素をプラスの要素で占めるのです。
その穴は、社会や家庭での役割や生活の充実感などの喪失など様々な形で表れてくるでしょう。私自身もケガによって、大切な試合に出場できない事を経験し、ぽっかりと穴が開くような喪失感、無力感を抱いたこと覚えています。私の例は、相応な例えとは言えませんが、そのような、ぽっかり空いてしまった穴を埋めていくのが仕事なのです。
誰しも一度くらいは、他事を忘れるくらい物事に集中した!
という経験があると思います。
絵を書くこと、手芸、料理、手紙を書く、スポーツ、トレーニング、勉強、ゲーム、…等、人によって様々だと思いますが、共通することは、その活動を行うことで達成感、充実感を得ていたことではないでしょうか?
喪失感にとらわれている状態から解き放つように、
一時的にでも、喪失した部分を充実感などのプラス要素で「占める」ていくことができる全ての行為が作業療法なんだろうと私は捉えています。
だから、作業療法は、人が行う全ての日常の生活行為が治療媒体として成り立ちます。
そして、目の前の対象者と一対一で向き合い実施することも作業療法であり、
対象者が生活の充実感を感じられる社会システムを構築することも、広義の作業療法と捉えることができると思います。
以上より、今、作業療法とは何かと答えるのなら、
「人生の再構築のために、喪失した部分をプラス要素で占めることができる、何か具体的な活動や手段を提供する専門家」
と答えるのだろうと思います。
乱文ではありましたが、少しでも作業療法士の仕事を理解して頂くことに繋がれば幸いです。
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