滅私奉公で働きたい!という思い
現在障害者施設で働いている私ですが、かつては銀行員でした。
私は銀行員になるとき、選考会(面接)で次のように面接官にお話したのです。
「今の時代、時代遅れな言葉かもしれませんが、滅私奉公したいんです。」
この言葉は悲しいことに(本当に悲しいことに!)、
実現しませんでした。
私は統合失調症を患って、
銀行に対してこれ以上ないくらいの迷惑をかけて退職することになりました。
(参照:統合失調症の陽性症状で感じた当時のガチな気持ち。〜 病気を客観的に捉えることの大切さ 〜)
望んで病気を患う人はいません。
病気に対しては、仕方のない部分があります(と言ってくださる方もいました!)が、
私の当時の仕事のパフォーマンスの低さは、本当に悔やまれます。
事務的な仕事に対してもう少しの辛抱と集中力。正しい勤務態度や取組姿勢と、それらの重要性を私がもう少し理解していたら、結果(パフォーマンス)は違っていたのではないかと思います。
私は銀行に3年近く在籍しましたが、
入社当初の情熱を数年でなくしてしまう方も多いということをこちらの記事で知りました。
(私の場合、情熱をなくしたのではなく、最初から仕事に対する正しい考え方が欠落していたのと病気だったのとで、3年で退職しましたが。)
自分の仕事が自分以外の誰のためになっているのかが見えない。今の時代、こういう感覚は、誰しもが持っているものになっているのではないだろうか。
組織や事業の規模が大きくなり、一人ひとりの行う業務が細分化していった結果、自分の仕事が誰にとって価値を生んでいるのかが、見えにくくなってしまったのだ。
多くの人たちが「働く意義」を見失って悩んでいることの背景には、自分の目の前にある仕事と「社会とのつながり」が失われてしまったことがある。
では、本来あるべき働き方とは、どんな状態なのだろう。
僕は、「自分」と「仕事」と「社会」という3つが1本の線でつながっているような状態こそが、最も理想的な働き方だと考えている。
「仕事」と「社会」とがつながっている状態とは、こんなイメージだ。
・目の前の仕事が誰かの「ありがとう」につながっていることを具体的に想像できる
・今取り組んでいる仕事の成果が、自分の子どもや孫にも必ず役立つと思えている
この両方のつながりが実現できていて、「自分」「仕事」「社会」という3つの結び付きを、働く人がしっかりと意識できている状態での働き方。そんな働き方のことを、本書では「志事」と呼ぶことにしたい。
では、仕事を志事に変えていくためには、何が必要となるのか。
鍵は、働くことと「社会とのつながり」を取り戻すことにあると僕は考える。
とは言っても、仕事が細分化し、顧客との接点も遠くなりがちな大組織で働く人にとって、「社会とのつながり」を実感するのは難しいかもしれない。
でも、あくまでも「難しいだけ」なのだ。
たとえ直接的には自分の仕事と社会との接点が見出しにくくても、その製品やサービスで喜んでくれる人がいることに想像力を働かせ、目の前の一つひとつの仕事に想いを込めて取り組むことこそができれば、「社会とのつながり」を感じることはできる。
実際、大企業の中で自分の仕事と「社会とのつながり」を強烈に感じながら熱く志事をする人たちに、僕はこれまでたくさん出会ってきた。
「どこで働いているのか」「何の仕事をしているのか」は関係ない。
重要なのは、目の前にある仕事に「社会とのつながり」を感じることだ。
そうすれば、今すぐにでも、仕事は志事に変えられるのだ。
(引用: http://diamond.jp/articles/-/99764 より抜粋)
多くの方は、入社してから数年の間の仕事に、社会とのつながりを感じられずにモチベーションを失う傾向にあるようなのです。
「ありがとう」という言葉は基本的に自分がいいことをしたから返ってくる言葉であり、
その順番は逆になることはあまりありません。
「ありがとう」と先に相手から言われて初めて仕事を頑張ってやろうという態度は少し違うと感じるのは私だけでしょうか。
言ってもらえるかわからないような「ありがとう」の為に汗を流しながら頑張るということはつらいし、中には誰の為に頑張っているのか明確でないし誰の為に頑張っているのか誰も教えてくれないという方もおいでるのかもしれません。
以上の話を踏まえて、私が考える医療・介護・福祉の仕事の魅力は次のようなものです。
魅力その1 口先だけでない滅私奉公
医療・介護・福祉の仕事は、滅私奉公を志す人にとって最高の仕事で、めちゃくちゃカッコイイと思います。
滅私奉公の大変さは、私も銀行員時代を通して理解しているつもりです。
ですが、医療・介護・福祉に携わる方たちの滅私奉公は、サラリーマンとかOLが自分を押し殺して会社のルール、組織のルール、社会のルールに順応するのとわけが違います。
そして私のように口先だけの滅私奉公とも違います。
よりお客様(患者の方ですね!)の人生に踏み込み、お客様に幸せになっていただける仕事だと思います。
お客様の人生に対して影響力があり、お客様の人生に(自分の人生にも!)大きな足跡を残せる仕事だと思います。
魅力その2 「ありがとう」を直接聞くことができる
世の中にはお客様の「ありがとう」を聞くことができない仕事がいっぱいあります。
それでモチベーションをなくす新入社員も多いということでしょう。
しかし、医療・介護・福祉の仕事は、患者さんの「ありがとう」を何かを媒介することなく受け取れる職種ではないかと感じています。
魅力その3 「社会とのつながり」を感じることができる
魅力その2とも関係していますが、顧客との接点という観点では、ひとりひとりが患者さんのとっても近くで働いていると思います。
それこそが「社会とのつながり」であり、モチベーションにもつながるはずです。
特に最近では「地域包括ケアシステム」など、医療・介護・福祉の連携の必要性が叫ばれる時代です。
それに携わることで、より社会とのつながりを自らも感じれるし、患者様にも感じて頂けるのだと思います。
そして、上記した内容と照らし合わせると、医療・介護・福祉の仕事は「自分」と「仕事」と「社会」の3つが結びついた立派な「志事」なのだと思います。
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いかがでしたでしょうか。
医療・介護・福祉の業界で働くことにはきっと苦労も多いと思います。
障害者の私には、想像もつかないような苦労があるんだと思います。
しかし私の目から見たら、医療・介護・福祉の仕事はカッコイイ、ステキなお仕事だし、ある意味恵まれた仕事です!
参考にしていただけたら幸いです。
次回は「患者から見た、医療・介護職(支援者)の仕事の魅力について 2」をお伝えします。
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