「医療に携わる者がお金儲けを考えてはいけない」
「お金の話は卑しく下品」
こうして記事を書くにしても、どこかはばかられるお金というテーマ。
今回は、「コメディカルとビジネス」という、人によっては嫌悪感を抱いてしまうような視点を、「士魂商才」という言葉からキャリアアップや社会にとって大切な視点だということを書かせていただきます。
士魂商才とは?
「武士の心を持って、商売の才を発揮する」という意味で、正々堂々と人のためになる”まともな商い”をしましょう。という精神です。
反対に考えると、お金のために手段を択ばず、人情もない儲けだけを追求するような卑しい商いはだめですよ。ということですね。
ところが今の日本って「お金を稼ぐ=卑しいこと」と、ひとまとめにされたり、もしくは「お金を稼ぐ=個人の富」ばかりに目がいったりしがちです。
でも、これって社会的に大きなマイナスとなる視点だと私は考えています。
士魂商才と経済
「士魂商才」の実践者として例を挙げると、NHK朝の連続ドラマ「あさが来た」でディーンフジオカさんが演じた五代友厚など、その最たるものでしょう。
(五代友厚像 :photo by takuya noda )
五代は元薩摩藩士ですが明治維新後、政府中枢から実業家に転身し、鉱山業や紡績業など数多くの事業を成功に導き、大阪ならびに日本の経済発展に寄与しました。
それが、国を豊かにし生活レベルの向上を生み、明治維新後のインフラ整備や軍備増強の下支えになるわけです。
では、五代が武士であることだけにこだわり続けていた場合、もしくは政府の人間であり続けた場合、そういった発展は得られたのでしょうか?
絶対に無理とは言えないかもしれないですが、可能性としては限りなく低いものだと思います。
商いの世界に身を投じたからこそ、社会を発展させられた。そういっても過言ではないでしょう。
コメディカルとお金
個人的に医療介護業界はとても大きなお金が回っている業界だと考えています。
研究費もかかりますし、高度な機器などもありますので。ただ、当たり前ですけど、それらはすべてお金があってこそ支えられているものです。
この視点が大事なのですが、「社会にとって必要なもの」を生み出したり支えたり、「社会課題を解決した」ことなどにより得られる報酬は、“卑しいものではない!”ということが感覚的に感じられると思います。
そんな中、コメディカルの方々はどれだけ多くのボランティアをされているのでしょうか?
ボランティアは助け合いの精神であり、崇高なものですし素晴らしいものです。
ただ、あまりにも極端に報酬を得ることに対し、後ろめたさを感じてはいないでしょうか?
無論、就業規定により報酬を得られないなどの点もあるかとは思いますが、無報酬で時間や技術、労働を提供することが習慣化してしまうと、そのひずみは疲労の蓄積、生産性の低下、専門職の価値低下に繋がります。
まとめ
社会にとって必要なことを生み出したり、支えたりすることに対する報酬は、何者にも卑下されるものではありません。
むしろ、コンプライアンスを遵守しながら、皆保険を使わずに国民の健康寿命に寄与することは最も求められていることですし、社会課題に対する活動もそれに並ぶものでしょう。
そういったことを「士」の心をもったコメディカルが、商才をもって解決することは、働き方改革で求められていることにもつながりますし、オンリーワンのキャリアアップにもつながることと考えています。
世界に先駆けて超高齢化社会に突入している日本。士魂商才の精神で乗り切れる力があることを示したいものです。
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