「よかった家で。」ー訪問看護という選択肢(今後の医療のカタチ)

2016.9.26 在宅医療, 在宅介護
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さやや

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この記事を読んでくださっている皆様の中で、ご家族のご病気の看病をされている方は、

どれほどいらっしゃるでしょうか。

ご家族のご病気が早く治るといいですね!

 

そうは言っても、人は皆、年老いて、やがては死を迎えます。
病状も人それぞれですよね。

「いつか」のことを考えて胸を痛めている方もおいでるのではないでしょうか。

 

ご家族のことだけではありません。
皆様ご自身も、将来のイメージはできているでしょうか。
住まいのこと
お金のこと
人間関係のこと
趣味のこと
介護を受けるときのこと
そして死を迎えるときのこと・・・
高齢化が進む日本で、注目を集めている医療サービスがあります。
それが今回ご紹介する「訪問看護」です。

訪問看護とは

訪問看護とは訪問看護ステーションから、病気や障害を持った人が住み慣れた地域やご家庭で、その人らしく療養生活を送れるように、看護師等が生活の場へ訪問し、看護ケアを提供し、自立への援助を促し、療養生活を支援するサービスです。

出典:一般社団法人全国訪問看護事業協会 より

 

訪問看護は、訪問看護ステーションから、看護師さんや医療従事者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等)の方がお家に来てくださる医療サービスなんですね!

訪問看護ステーションに限ったことではないようです。
一部の病院や診療所などの医療機関も、看護師等がご自宅を訪問し、看護ケアを提供しています。

 

なぜ訪問看護が注目を集めているか

2025年問題ー皆様は耳にされたことがありますか?
少子高齢化が進む日本では、2025年に団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となります。
そして2025年には65歳以上の高齢者が全人口の30%を超えると予測されています。

 

このように少子高齢化が進むと医療の業界では何が起きるでしょうか。

1. 医療費等社会保障費の増大

ご存知の通り私たちの医療費は一部国が負担をしており、高齢の患者が増えると医療費が増大し国の負担が大きくなります。

 

 

2.病床数(ベッド数)の不足と在院日数の減少

これからは高齢の患者がさらに増えていくと思われます。2015年の段階で病床数は135万床。2025年には必要な病床数が152万床に増えるとされています。政府は2025年のベッド数を115万〜119万床と、減らす目標を示しました。そうすることで、国が負担する医療費の削減を図ります。患者の在院日数(入院日数)は減っていくと言われています。

 

このように、

 

  • 症状が軽い
  • 集中的な治療が必要ない

 

こういった患者の方たちは、病院に長居することは難しくなるのではないでしょうか。
今後10年近くかけて、人々の医療サービスを受ける場が病院から自宅・介護施設に変わっていく訳です。

 

そう考えると「訪問看護」はこれからの時代を担う医療サービスと言えるかもしれません。

 

 

 

自宅で看取るということ

自宅で死を迎える人も増えてきています。

皆様は、死をどこで迎えるか、想像できますか?

 

 

現在、日本人の大半は病院で亡くなっています。

2010年の「人口動態統計」によると、死亡場所の構成割合は、病院77.9%、自宅12.6%です。その一方で、2012年の「人口動態調査」「人生の最終段階における医療に関する意識調査」では、人生の最終段階を過ごしたい場所として自宅を選んだ方が71.7%いたのです。
病院では、家族がいつも付き添う訳に行きません。
病院は他にも入院されている方がおいでて、周囲に他の患者の方がいると落ち着かないでしょう。
病院の規則があったりして、
自宅とは違って好きなように生活することはできません。
終末期の患者の方の中には、回復の見込みがないなら、
自宅での日常にかえりたいと感じる方がたくさんおいでるのです。

 

訪問看護は、医療の知識のない家族にとって、心強い支えとなるでしょう。

 

 

自宅での看護が主流の時代に

いかがでしたか?
訪問看護という選択肢の重要性は伝わったでしょうか。

時代の要請でもある「訪問看護」。
医療のあり方としては、これからの主流となる予感さえします。

ぜひ皆様の選択肢のひとつとしてカウントして頂けたらと思います。

 

参考文献

「訪問看護便利帖」介護と医療研究会著 株式会社翔泳社

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