【実践レポート】個人の”強み”を地域や異業種に活かすためにはどうしたらいい?

2017.12.24 在宅医療・介護用語, キャリア
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野田卓也

野田卓也

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皆様、いつもお読みいただきありがとうございます。

 

病院勤務でパラレルキャリア実践中の野田です。

 

最近、質問で「地域に関わりたいのですがどうしたらよいですか?」とか、

院外の方々と接点を持ちたいのですがどのようにされていますか?

といったご連絡を頂くことが多くなりました。

 

それだけ予防に関する意識、地域に対する意識が高まっているということでしょうか。

 

いずれにしてもこういった考えを持つ方は増えているようです。

 

そこで今回は私がどういう形で地域に溶け込み、各地のキーパーソンと交流やプロジェクトを進めているかお伝えいたします。

(photo by Fotolia)

「接点ありき」の考えを捨てること

前に「パラレルキャリアを目指すなら知っておきたい! -組織力に頼らない個人力とは?-」でお伝えしたことがあるのですが、

 

「○○したいんです!」「○○のような連携ができないですか?」と、実績抜きで、自分の希望だけ訴えても物事はすすみにくいです。

 

また、地域や異業種の方と接点を持てば物事が動くという思考から脱却することが第一です。

 

厳しい言い方ですが、視点を変えると、それは”接点を持った誰かが自分の話をうまく誘導してくれる”という他力本願ということになります。

 

「そう言われると、ますますどうしたらいいかわからなくなる」と、いったところでしょうか?

 

では、実際にどういう流れがよいのかを、ひも解いてみましょう。

 

前提はどこに?

おそらく無意識下で行っていると思うのですが、医療介護従事者が求めている地域への関わりというのは、常に「所属」や「資格」が前提にあり、その特定スキルの活用ありきで模索することがほとんどです。

 

見方を変えると、地域課題が前提にあるわけではなく、自己のスキルや方法論を前提にして、地域課題に当てはめようと模索しているということになります。

 

そうなると実際に地域が抱えている問題はみえにくくなります。

 

包括的に問題を抽出するのではなく、局所的に抽出しようとするのですから。

 

まずはこの前提を変えていきます。

個人で飛び込む!

「資格を持っている」とか、「こういうスキルがある」とか、「どこに勤務している」だとかは置いといて、あくまで一個人として、今日、職場の同僚、友人、家族以外の何人の人と話をしましたか?

 

「地域、地域」と言いながら、”地域の運動会やイベントに出ていない”一個人として、”まちに出て人と接していない”これで「地域と関わりたい」というのは本末転倒です。

 

地域の実情を知り、それに関わることに難しい”構え”はいりません。「関わりたいです」という前に個人で”まち”に出ましょう。

 

局所的に関わろうとするのではなく、まずは自分が”まち”に出て、肌で地域やそこに住む人々と接することが重要なのです。

地域連携の基本の「キ」は?

普通に考えて、普段はまったく地域に関わらない、顔も見ない人が「こんなことで困ってませんか?」って、いきなり来たら警戒しませんか?

 

「なんかの営業じゃないか?」と、勘ぐる人もいらっしゃるかもしれません。

 

それに対し、日頃、地域で交流のある顔見知りのAさんが、「ちょこちょこ以前から話をしていた事をやってみようかと思うんだけど」と、言われれば「おお!話を聞こうか!」ってなりませんか?

 

地域の繋がりの基本は、日頃からの人づきあいなのです。

 

個人で溶け込み、日常会話を重ねていく中で「最近、膝が痛くてね…」とか「おじいちゃんの様子がね…」とか、個々や地域が抱える専門領域の課題がみえてきます。

 

そこではじめて町内会長さんや自治会長さんとの連携などを、主体的に模索していけるようになるのです。

 

もちろん、それ以外の連携話も進みやすくなるでしょう。

(photo by Fotolia)

事例紹介

さて、ここからは私の事例です。私の場合は、まちの個人飲食店を巡ることから始めました。

 

その理由は以下の通りです。

  • 個人飲食店は地域のコミュニティになりやすい。
  • 地産地消により一次産業まで地域にお金が落ちやすい。
  • ワークショップなどの連携がとりやすい。

これらの要素に加え、以下の点も重視します。

  • お店の飲食レポートを自前の地域情報サイトやSNSで拡散し、お店の広報を行う。
  • お店のバリアフリー環境を地域情報サイトで紹介し、外出支援を図る。

お店でご飯を食べながらオーナーさんと仲良くなるものよいですが、お店の営業支援を行うことで距離感は縮まりますし、バリアフリーに関する情報も発信させてもらえば、高齢者や障害をお持ちの方にもお役に立てるのです。

 

結果、公民館などを借りなくても口コミでワークショップを開くこともできますし、認知症カフェとしての機能を依頼することもできるかもしれません。

 

すべては、自分がしたいことではなく、どんな課題があり、自分のスキルでどんなメリットを提供できるのか?を考え、コツコツと出向いた結果です。

(photo by Fotolia)

おわりに

今回ご紹介した方法は地域活動の一例にすぎません。

 

他にもいろんな方法があるでしょう。

 

ただ、人間の心理的にも、地域連携の基本としてもコツコツと信用を積み上げるボトムアップが重要であると私は考えています。

 

それなくして、トップダウン的に飛び込むことが、より良い関係を生むかについては疑問が残ります。

 

ですので、多くの方が地道に地域に出向いて、自助や互助の構築、個々の課題を抽出し、活躍してくださることを切に願います。

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