現場で働くナースが経営感覚を持つことで、より職場が改善される話をさせて頂きました。
(参照:「医療機関におけるES(従業員満足度)向上のススメ|看護師ver」)
日常に落ちてた問題や課題を記録するなどしてヴィジュアル化し、それを発表する機会を設けたりすると
「安全で、倫理観があり、皆が連帯していて、現場での経験知がひろく皆に行き渡っていて、楽しい職場」が実現するのではないでしょうか。
今回は、さややが学んだ経営学の知識を共有しながら
経営感覚って何だろう?と皆さんと一緒に考えることができたらいいなと思います。
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企業とか医療機関の経営にとって最重要課題ってなんでしょうか。
いろんな本にいろんな答えが載ってます。
経営学検定の公式テキストには次のように記載がありました。
固定的資源をいかに調達し、蓄積し、発展させていくかは企業にとって最重要な課題といえる。
出典:経営学検定試験公式テキスト(中央経済社)
「へーそうなんだ!」と思う方もおいでるでしょうし
「どうせ違う本を見たら違うことが書いてあるんでしょ!」と思う方もおいでるかもしれませんね。
「もっといろんな課題がありそう!」と思う方もおいでるかもしれません。
仮に、この記載が本当だとしたら、固定的資源って一体何なんでしょうか。
SWOT分析
皆さんは「SWOT分析」という言葉をご存じですか?
経営戦略を策定する際の手法で経営環境(外部環境と自社の能力)を正しく理解するためにあるものだそうです。
経営環境を構成しているものは、「外部環境」と「自社の能力」であり
S: (自社の能力における)強み
W: (自社の能力における)弱み
O: (外部環境における)機会
T: (外部環境における)脅威
を指しているとのこと。
強み(S)と機会(O)を掛け合わせてチャンスを狙ったり
強み(S)と脅威(T)を掛け合わせて差別化戦略など柔軟に環境に適合していく戦略を取ったり
何やら作戦を考えるうえで大事なツールのようです。
ですが、ここでさらに掘り下げたいのは「自社の能力」です。
自社の能力を考えるということは、経営資源を考えるということらしいのです。
経営資源とは
経営資源とは一般的には
「ヒト・モノ・カネ・情報」と呼ばれるものです。
経営資源にはそういった区分の仕方のほかに
「可変的資源」と「固定的資源」といった区分の仕方があります。
固定的資源が出てきた!
- 「可変的資源」とは、必要に応じて市場から調達できるもの
- 「固定的資源」とは、保有量を増減させるのに時間がかかり、その調整に相当のコストがかかるもの
固定的資源は増減に時間とコストがかかり、その調達と蓄積・発展が企業にとって大切な課題らしいのです。
確かに、ヒトは、必要となったらすぐに増やせるときとそうでないときがある気がします。
例えば、どれだけ高い広告を出しても、ヒトが集まらないときもあるのではないでしょうか。
お金だって、利益を出したくても、出ないときは出ないものだと思います。
そして、固定的資源の中でも、最重要視されているのが「情報(技術・ノウハウ・信用・のれん・ブランドなど)」なのです。
情報(情報的資源)の調達と蓄積
なぜ情報(情報的資源)が経営者の間で評価されているのでしょうか。
それは、以下のような特性があるからであるといわれています。
無形性
ブランドや技術ノウハウなどは無形です。人々が探している目に見えない宝物なんですね!
自然蓄積性
情報的資源は、日々を通して蓄積されるものです。蓄積されたものは、その組織独自の「経験」として、どこへいっても評価されるはずです。
希少性
市場で調達することが難しい上、その会社が培った「経験」は短期間に生み出されるものではありません。
模倣不可能性
無形なこともあり、情報(ブランド、技術ノウハウなど)は外部から模倣が難しいとされています。
組織学習 を皆で進めよう!
情報(情報的資源)の中でも、積極的に蓄積していきたいのは
「情報処理特性」と呼ばれるものです。
情報処理特性:組織内にみられる共通の情報処理パターン(組織メンバーの思考や帰属意識、やる気、組織文化、価値観、仕事の進め方、情報伝達のルールなど)
出典:経営学検定試験公式テキスト(中央経済社)
情報処理特性は、蓄積することによって、ひいては共通の行動様式であったり、企業文化、組織文化へとつながっていきます。
組織が単純に個人の学習の集計としてではなく、全体として情報(情報処理特性を含む)を蓄積・変革していくことを「組織学習」というそうです。
組織学習して得たものは、その組織(企業)独自のものであり
もっとも経営者が評価すべき「固定的資源」と呼ばれるものなのです。
市場からはすぐに調達できず、増減させるにはコストもかかるということでしたよね。
私が伝えたいこととしては
情報(技術やノウハウ)は、医療職の皆さんにとってすごく身近なものであり
でも医療機関とか企業や組織の経営においてもっとも大切で
組織全体として、蓄積に努めなくてはいけないものだということです。
経営学の観点から
何か特別なことをしなくても
ただ日々のヒヤリ・ハットを共有する習慣が、どれくらい経営者が評価する「組織学習」に寄与しているかをお伝えしたかったのです。
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私は経営学のプロではないのですが
組織学習という言葉をとても興味深く感じました。
情報が皆で共有されていって、その組織独自の文化とか仕事のやり方が生まれるのは
とってもステキなことだなぁと思います。
経験とかノウハウを周囲に対して出し惜しみする方もひょっとしたらおいでるのかもしれませんね。
でも、もし、出し惜しみすることなく、皆と成功や失敗を共有したら
経営の観点とか、組織を成長させる観点から見たとき
あるいは経営者の観点から見たときに
評価は少し違うものになるかもしれません。
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