現在、平成30年の診療報酬・介護報酬同時改定において、基本的な考え方や改定内容案が報告されています。
その中で、自立支援・重度化防止に資する介護を推進するために、訪問介護における生活機能向上連携加算が見直される可能性が議論されています。
今回は内容を少し掘り下げてみていきたいと思います。
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次期改定で新たに評価されそうな部分
現行の生活機能向上連携加算とは、以下の要件で大枠が定められています。
『自立支援型のサービスの提供を促進し、利用者の在宅における生活機能向上を図る観点から、訪問・通所リハビリテーション事業所のPT・OT・STが訪問・通所リハビリテーションの一環として利用者の自宅を訪問する際に、
サービス提供責任者が同行する等により共同して行ったアセスメント結果に基づき訪問介護計画を策定した場合であって、PT等と連携して訪問介護を行ったときに、最初の訪問介護を行った月以降3月の間で100単位を加算するもの』
これに加えて、現在議論されているものとして、リハビリテーションを実施している医療提供施設(原則として許可病床数200床未満のものに限る)のPT・OT・ST・医師が訪問して行う場合についても評価される事が検討されています。
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もっとリハビリ職と介護職が連携できる仕組みづくりに
また、PT・OT・ST・医師が利用者宅を訪問することが難しい場合においては、以下の項目を定期的に行い評価することを要件として加えることも検討されています。
・助言 (アセスメント・カンファレンス)を受けることができる体制を構築し、助言を受けた上で、サービス提供責任者が生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成 (変更)すること。
・当該PT・OT・ST・医師は通所リハビリ等のサービス提供の場において、又はICTを活用した動画等により、利用者の状態を把握した上で、助言を行うことを定期的に行うこと。
以上のように現状では生活機能向上連携加算を算定している事業所は極めて少ないと言われていますが、
自立支援・重度化予防を推進するために、加算の評価範囲を拡大し、今よりもリハビリ職と介護職との連携が強化されやすい環境に整えられることが議論されています。
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リハビリ職と介護職が連携することの効果
加算算定事業所にリハビリ職との連携を調査した結果では、同行訪問時に利用者の歩行・移動に関わる基本動作の確認が行われていたのは半数以上、
リハ職からサービス提供責任者へ「介助方法」の助言が行われていたのが77.9%であり、利用者への効果は、「利用者の身体状態が改善(または悪化防止)した」 が46.9%。
ヘルパーへの効果は「以前より利用者に安全に関われるようになった」が56.3%と、リハビリ職とヘルパーが連携することによる効果も確認されています。
ただ、連携を提案したのは40%がケアマネであり、同行訪問が決定したのが、サービス担当者会議で関係者同席の場で、連携の必要性が確認された場合が多く、リハビリ職が主体的に提案することが少ない現状があります。
また、同行訪問の日程調整に手間がかかる、実施できる事業所が少ない、加算報酬が低い、制度が理解されていない等の課題も挙げられています。
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おわりに
現在加算の評価範囲拡大や算定できる点数は議論されている段階であり、考えられる課題も多くありますが、いずれにしてもリハビリ職と訪問介護との連携は自立支援や重度化予防において重要な要素となります。
このため、リハビリ職も訪問介護とどのようにして効果的に連携できるかを考えて、主体的に連携を図っていく必要があります。
参考資料
・「訪問介護の報酬・基準について」 第149回社会保障審議会 介護給費分科会資料
・「リハビリテーション専門職と介護職との連携に関する調査研究事業 報告書」
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