地域リハビリテーション活動支援事業とは
「介護予防・日常生活支援総合事業」では、介護予防を強化するために「地域リハビリテーション活動支援事業」として、リハビリ専門職が地域に関わることが求められています。
では、具体的にどのような関わりを行う必要があるのでしょうか?
介護予防として高齢者サロン等に出前講座を行うことも一つの関わりですが、それだけではなく、集団や個人、地域に対して包括的な視点で介入することが必要となります。
以下に具体的な活動について一例をまとめます。
集団指導
高齢者の集合場所(サロンや介護予防教室等)に訪問して、一般的なリハビリ技術等を広く伝える。集団特性を評価することで、より効果的な内容の提案が可能になる。
- 評価
集団特性、また集団における評価を行い取り組みにつなげる
- 活動内容の提案
活動状況に合わせて無理なく実施できる活動内容を提案
- 参加場面での助言と指導
提案した活動に参加しながら、実際の活動場面で助言と指導
- 環境調整
集団が利用する場所の環境評価を行い、必要に応じて段差の解消などの改善策を提案
- 講演・情報の周知
健康づくりから社会受容の啓蒙まで、幅広く発信することで地域作りに貢献
(Photo by Fotolia)
個別指導
生活課題と生活状況を評価し、個別性の高いアドバイスを行う。必要があれば自宅や活動場所へ訪問して実施する。
- 評価
個人の身体能力、活動遂行能力、嚥下能力、社会参加について評価する
- 活動内容の提案
対象者に合った自主練習メニューを作成
- 参加場面での助言と指導
現地に訪問して個々人の参加・活動場面に即した助言と指導を行う。
- 環境調整
家屋改修や福祉用具などの選定から装具や杖、靴などの調整
(Photo by Fotolia)
ボランティア・スタッフ支援
地域力を推進するという総合事業の観点からボランティアやスタッフの育成と支援を行う。
- 相談
ボランティア自身及び関わりのある他者に関する介助方法や身体の痛みなどの心配事について、スタッフやボランティアからの相談を受ける
- ボランティア養成支援
ボランティア養成講座での講師として、リハビリの理念や介助方法論、老化や障害に関する講義を行う。
- イベント支援
リハビリの技術を応用してイベントの支援を行う
(Photo by Fotolia)
カンファレンス参加
他職種連携の情報交換の場に、身体能力や活動可能性等の観点から情報提供を行う。
- 意見交換
主に個別指導や集団指導で評価を行なった方に関して、本人了承のもとで、身体能力や活動可能性について意見交換を行う。
また、評価を行なっていない方に関するカンファでは一般的に想定できることを提案する。
(Photo by Fotolia)
まとめ
以上のように、リハビリテーションの概念を用いて包括的に捉え、地域をマネジメントすることが求められています。
改めて、地域での関わりを考えるときに上記の視点を持ちながら、その地域に対して何が必要で、何ができるのかを考え直すことも必要ですね。
参考資料
・公益社団法人 全国国民健康保険診療施設協議会
・新しい総合事業(地域リハビリテーション活動支援事業)にリハビリ専門職の技術を活かすためのメニューリスト及び参考事例集
記事提供
\ SNSでシェアしよう! /