最近話題になっている「混合介護」ってご存知ですか?
以前、CoMediでも介護職員に着眼した記事を書きました。
記事はコチラ➡「混合介護」解禁で介護職員の環境はどう変わる?
本日は、「リハビリ職種」に着眼して、重要な点について簡単に記したいと思います。
従来までの形
2017年1月16日の日本経済新聞にて、東京都豊島区で介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の解禁がなされると報じられました。
従来の介護保険サービスは、原則1割負担で利用する事が可能でしたが、
保険外サービスを同時に提供する事(混合介護)はできず、対象者は利用者本人へのみであり、
要介護者の家族へのサービスは提供する事ができませんでした。
そのため、仮に高齢者夫婦で暮らしていても、支援内容が「本人の調理・掃除の援助」となっている場合、
調理は本人の分のみ、掃除に対しても本人の使う居室のみと “本人の日常的な家事の範囲”でのサポートしか認められませんでした。
混合介護で求められること
混合介護では対象を同居家族の分まで広げられるため、居室以外の廊下やベランダの掃除など、“家庭に対しての生活支援”が可能になります。
その一方で、高額の保険外サービスが優先されてしまい、介護保険サービスがおざなりとなってしまう事や本当にサービスが必要かを考慮せずにサービスを導入し、介護保険本来の目的である利用者の自立精神を妨げてしまう可能性を含んでいます。
サービス提供の幅が広くなるからこそ、適切な選択をしなければなりません。
そこで求められるのは、利用者のニーズと必要な社会資源を結びつける「ケアマネジメント」です。
日本のケアマネジメントはフォーマルな社会資源に焦点化しやすい傾向にあるとされており、
より適切なケアマネジメントのためにはインフォーマルな社会資源との併用が求められています。
そのためどんな事に対してサービスが必要なのかといったアセスメントと、
そのサービスがどれ程必要なのか、
そしていつまで必要なのかといったプランニングを提案する事がリハ職に求められるポイントです。
利用者の自立精神を最大限引き出しながら必要なサービスを補填できるかはリハ職の力が必要不可欠ではないでしょうか?
プランニングを多職種で行う発想の転換
今書いたように、プランニング能力は今後かなり求められます。
例えば、混合介護がはじまり必要以上にサービス提供がなされてしまうリスクが潜むという声が挙がっているわけですが、これを予防する手立てはないのでしょうか。
その一つの予防策として「ケアプランをケアマネ任せにしない」ことが挙げられます。
多くの医療介護専門職はケアプランの作成をケアマネに委ねています。
これはごく自然な流れと言えばそうなのですが、ケアマネに依存してしまうことによるリスクは今後益々高まってきます。
そのため、リハ職、看護職、介護職がしっかりとアセスメントをした上で各々案を出し合い、それをケアマネに提案するような形がベストではないかと考えています。
そうした実現に向けて、養成校教育の段階で介護保険についてより一層学ぶことが必要になってくるでしょう。
おわりに
このように、介護保険の周辺は日進月歩で変化を遂げていきます。こうした変化に対応する能力も保険下で生きる医療介護職に求められる能力といえます。
参考資料
・日本経済新聞 2017年1月16日
・相山薫:ケアマネジメントにおける社会資源活用の方法,富山国際大学子ども育成学部記要,2012,3 pp141-152
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